数を 数えるのは かんたんです。でも 並べかたを 変えるだけで、見えて くる ものが ちがいます。
クラスで「すきな くだもの」を 調べた とします。答えを 聞いた 順に 書くと、こう なります。
これを 見て、「いちばん 人気は 何?」 と 聞かれても、すぐには 答えられません。
数えれば 分かりますが、数えて いる うちに どこまで 数えたか 分からなく なります。とくに 人数が 多い ほど 大へんです。
そこで、整理する ことに なります。バラバラの ままでは 使えない データを、分かる 形に する ── これが この 単元の ねらいです。
数える ときの 定番の 方法が 「正」の 字 です。
なぜ「正」の 字を つかうのでしょうか。5画だから です。
「正」は 5本の 線で できて います。だから 1つ 書くと 5。5のまとまりで 数えられるので、あとから 数えるのが とても 楽です。
「正」が 2つで 10、3つで 15。5とびで 数えれば すぐ 合計が 出ます。1年生の「5のかたまり」、2年生の「5の だん」が ここで 生きます。
もし ただの 棒(||||||)で 数えたら、あとで 1本ずつ 数えなおす ことに なります。まとまりを 作って おく ことの 便利さ が、ここで 実感できます。
もう 一つ、大事な コツが あります。数えた ものに 印を つける ことです。
名ぼを 見ながら 数える なら、数えた 人に チェックを 入れる。これで ダブりも 数え落としも ふせげます。
1年生の「ものを 数える とき、ゆびで さす」と 同じ 考えかたです。
数え終わったら、表 に まとめます。
| くだもの | 人数 |
|---|---|
| りんご | 6 |
| バナナ | 10 |
| みかん | 5 |
| いちご | 3 |
| 合計 | 24 |
表の よい ところは、正かくな 数が すぐ 分かる ことです。「バナナは 何人?」→ 10人。ひと目で 読めます。
そして 合計 を 書くのも 大事です。合計が クラスの 人数と 合って いれば、数え落としが ない しょうこに なります。
合わない ときは、どこかで まちがえて います。合計は 答え合わせに つかえる ── これは 便利な 考えかたです。
表が できたら、つぎは グラフ です。2年生では、○を つみ上げる かんたんな グラフを かきます。
ここで 気づいて ほしい ことが あります。グラフは 表より 数が 正かくに 分からない。でも くらべるのは グラフの ほうが かんたん。
| 表 | グラフ | |
|---|---|---|
| 正かくな 数 | すぐ 分かる | 数えないと 分からない |
| いちばん 多い もの | くらべる 必要が ある | ひと目で 分かる |
| どれくらい ちがうか | ひき算が いる | 見ただけで 分かる |
どちらが よい わけでも ありません。目的に よって 使い分ける のです。
正かくな 数を 知りたい なら 表。ぜんたいの ようすを つかみたい なら グラフ。この 使い分け が 分かる ことが、この 単元の いちばん 大事な ところです。
グラフには、守るべき きまりが いくつか あります。
とくに 「1つ分の 大きさを そろえる」 が 大事です。○の 大きさが バラバラだと、正しく くらべられません。
これは 1年生の「おおきさくらべ」で ならった 「同じ 大きさの もので 数える」 と まったく 同じ きまりです。クリップの 大きさが ちがえば くらべられない ── あれと 同じ ことです。
また、下から つみ上げる のにも 理由が あります。下が そろって いれば、上の 高さで くらべられる。これも 1年生の 「はしを そろえる」 と 同じ 考えかたです。
算数の きまりは、あちこちで つながって います。ばらばらに おぼえるのでは なく、「前に ならった あれと 同じだ」と 気づけると、記おくにも 残ります。
グラフは かいて 終わりでは ありません。読みとる ことが 目的です。
グラフを 見て、答えられる ことが たくさん あります。
とくに 「何人 ちがうか」 は、ひき算を つかう 問題に なります。グラフの 高さの ちがいを 見て、6-5=1。算数の 計算と グラフが つながります。
そして、もう 一歩 進んだ 問いも あります。「この 結果から、何が 言えるか」。
「バナナが 人気だから、お楽しみ会の おやつは バナナに しよう」── データを 見て 決める。これは 6年生の「データの 調べ方」、さらに 大人の 仕事にも つながる 考えかたです。
2年生から 「調べる → 整理する → 読みとる → 決める」 の 流れを 体けんして おく ことに、大きな 意味が あります。
じつは、整理する 前に もっと 大事な ことが あります。何を 調べるか を 決める ことです。
「すきな くだもの」を 調べる とき、こんな 問題が おきます。
だから、調べる 前に ルールを 決めます。
これは 4年生の「資料の 整理」 で ならう 「落ちや 重なりが ない ように 分ける」 という 考えかたの 入り口です。
調べかたが いいかげんだと、どんなに きれいな グラフを かいても 意味が ありません。集めかたの 段かいから 学習は 始まって いる のです。
数が 合わない。
数えた ものに 印を つける、合計で 確かめる。この 2つで ほぼ ふせげます。
手がきだと、だんだん 大きく なったり 小さく なったり します。
マス目の ある 紙 を つかうと 自動的に そろいます。1マスに 1つと 決めます。
グラフは かけるのに、質問に 答えられない。
これは かく ことが 目的に なって しまって いる しるしです。
かき終わったら 必ず 「これを 見て 何が 分かる?」 と 聞きます。読みとる 練習を セットに します。
Q1 「正」の 字を つかうのは なぜですか。
A 5画 だから。5のまとまりで 数えられて、あとから 合計しやすい からです。
Q2 正かくな 人数を 知りたい とき、表と グラフ どちらを 見ますか。
A 表。数字が そのまま 書いて あります。グラフは くらべる のに むいて います。
Q3 家ぞくの すきな 食べものを 調べて、表と グラフに して みましょう。
A 人数が 少なくても かまいません。調べる → 整理する → 読みとる の 流れを やる ことが 大事です。
この単元は、6年生の「データの調べ方」、さらに中学・高校の統計へとつながる出発点です。地味に見えますが、情報を扱う力の土台になります。
家庭では、実際に何かを調べてみるのがおすすめです。1週間の天気、家族の起きた時刻、冷蔵庫の中身。何でも構いません。
大切なのは、グラフを作って終わりにしないことです。「これを見て何が分かる?」「だからどうする?」まで話してみてください。データを見て判断する経験は、これからの時代にますます重要になります。
また「正の字が5画だから便利」という話は、子どもが意外と知りません。教えると「なるほど」という顔をします。理由を知ると、使い方も丁寧になります。