2年 算数 かけ算の文章題

かけ算の文章題 ── 「同じ数のまとまりが、いくつ」を見つける

九九は すらすら 言えるのに、文章題に なると かけ算と たし算の どちらを 使えば いいか 分からなくなる。これは とても よく ある ことです。見分ける ポイントは たった 1つ、「同じ 数の まとまりが、いくつ あるか」だけです。

たし算と かけ算は、どこが ちがうのか

「りんごが 3こ、みかんが 5こ あります。あわせて 何こ?」これは たし算です。3+5=8。りんごと みかんは ちがう 数 どうしを くっつけて います。

いっぽう「さらが 5まい あって、1まいに みかんが 3こ ずつ のって います。みかんは ぜんぶで 何こ?」こちらは かけ算です。3×5=15。どの さらも 同じ 3こ。同じ 数の まとまりが、5さら分 あります。

たし算 … ちがう 数どうしを あわせる(3こ と 5こ) かけ算 … 同じ 数の まとまりが、いくつ分 あるかを かぞえる(3こずつ が 5さら分)

この「ずつ」という ことばに 気づけるかどうかが、いちばんの 分かれ道です。文章題に「ずつ」「それぞれ」「1人に」などの ことばが 出てきたら、かけ算の サインだと 思って よいです。

「1つ分」を さきに 見つける

かけ算の 式「3×5」は、「1つ分×いくつ分」の 順番で 書く という ことは、かけ算の 単元で ならいました。文章題では、まず 「1つ分」は どれか を 読み取る ことが 大切です。

「1まいに みかんが 3こ」と あるので、1つ分は 3こ。「さらが 5まい」なので いくつ分は 5。だから 式は 3×3=9ではなく 3×5=15 です。

1まいに みかんが 3こ ずつ ── これが「1つ分」=3 さらは 5まい ある ── これが「いくつ分」=5 式:3 × 5 = 15

長い 文章に なると、「1つ分」と「いくつ分」の どちらが さきに 書かれて いるかは 問題ごとに ちがいます。「5人に、1人 4こずつ くばる」のように、いくつ分が さきに 出てくる こともある ので、文の 順番で 式を 作らず、「1つ分は どれ?」と 自分で 探す くせを つけます。

単位に 注目すると、1つ分が 見える

どちらが 1つ分か 迷ったら、数の うしろに ついて いる ことば(単位) を 見ます。

文章1つ分いくつ分式
1台に 4人 乗る 車が 6台4人(/台)6台4×6=24
1ふさに バナナが 7本、ふさが 3つ7本(/ふさ)3ふさ7×3=21
8人に、1人 2本ずつ えんぴつ2本(/人)8人2×8=16

表の「1つ分」の 列を 見ると、どれも「〜につき、○こ」という 言い方に なって いる ことが わかります。「1つ(1人・1台・1ふさ)あたり、いくつか」 を 言って いる 数が、1つ分です。残った 数が、まとまりの かず(いくつ分)に なります。

答えの 単位でも、まちがいに 気づける

式を 作った あと、答えの 単位が 文章と 合って いるかを 見直すと、まちがいに 気づけます。「車が 6台、1台に 4人」の 問題で、答えは「人」に なる はずです。式が 6×4でも 4×6でも、答えの 数は どちらも 24で 同じですが、かけ算の きまり(入れかえても 答えは 同じ)のおかげ で、順番を まちがえても 答えの 数字は あって しまいます。

だからこそ、式を 作る ときは「答えが 合っていたから OK」ではなく、「1つ分は どっちだったか」を 自分の 言葉で 言えるか を たしかめる ことが 大切です。これが できて いないと、3年生で わり算を 学ぶ ときに、「1つ分を 求める わり算」と「いくつ分を 求める わり算」の 2種類を 見分けられなく なります。

たし算に 見えて、かけ算の 問題

「りんごが 3こずつ 入った ふくろが、4ふくろ あります」この 問題を、「3+3+3+3」と たし算で 解く 子が います。答えは 12で 合って いますが、同じ 数を 何回も たす のは、かけ算で ひとことに できる ということに 気づかせたいところです。

3 + 3 + 3 + 3 = 12 ← 同じ 数を 4回 たしている 3 × 4 = 12 ← 同じ ことを、1つの 式で 言える

たし算で 解けても まちがいでは ありません。けれど「同じ 数が いくつも 出てきたら、かけ算に まとめられる」と 気づく 力が、数が 大きく なった とき(たとえば 20こずつ 15ふくろ)に 役立ちます。たし算では とても 時間が かかりますが、かけ算なら 20×15の 1回で すみます。

つまずきやすい ところ

その1 「ずつ」を 見つけられない

文章の 中に「ずつ」が はっきり 書かれて いない 問題も あります。「花だんが 5つ あって、どの 花だんにも チューリップが 6本 さいて います」には「ずつ」の 文字が ありませんが、「どの 花だんにも」が「ずつ」と 同じ 意味です。ことばの 形に とらわれず、「どこも 同じ 数」と 言って いないか を 読み取ります。

その2 2つの 数を 見つけたら、すぐ かけてしまう

文章題に かけ算を ならった あとは、数が 2つ 出てきただけで 何でも かけてしまう 子が います。「りんごが 3こ、みかんが 5こ。どちらが 多い?」は くらべる 問題で、かけ算も たし算も 使いません。「同じ 数の まとまりが、いくつ あるか」を 聞いて いるか を、毎回 確認する 習慣が 大切です。

その3 「1つ分」と「いくつ分」を 入れかえて 覚えてしまう

「3人に、1人 4こずつ」と「4人に、1人 3こずつ」は 式も 答えも ちがいます。答えの 数字だけ 合わせようとして、1つ分を きちんと 読まずに 式を 作ると、問題が 少し ひねられた だけで 対応できなく なります。

やって みよう

Q1 1はこに ドーナツが 6こ 入って います。はこが 7はこ あると、ドーナツは 何こ?

A 1つ分は 6こ(1はこあたり)、いくつ分は 7はこ。式は 6×7=42こ。

Q2 子どもが 8人 います。1人に あめを 3こずつ くばると、あめは 何こ いる?

A 1つ分は 3こ(1人あたり)、いくつ分は 8人。式は 3×8=24こ。

Q3 公園に 犬が 4頭、ねこが 9ひき います。ちがいは 何頭(ひき)?

A これは「ちがいを くらべる」問題。かけ算ではなく ひき算で、9-4=5。同じ数のまとまりの話ではないので、かけ算は使いません。

Q4 1台の 車に 5人 乗れます。9台 あると、何人 乗れますか。

A 1つ分は 5人(1台あたり)、いくつ分は 9台。式は 5×9=45人。

Q3だけ、かけ算を 使わない 問題を まぜて あります。文章題を 解く ときは、「かけ算の 単元だから、かけ算で 解けば いいや」と 決めつけず、この 問題は 本当に 同じ数の まとまりを 数えて いるか を、まず 自分に 聞いて みる ことが 大切です。

Q5 1ふくろに あめが 9こ 入って います。3ふくろ 買うと、あめは 何こに なりますか。また、同じ あめを 1ふくろだけ 買う 友だちと くらべて、何こ 多いですか。

A 前半は かけ算:1つ分 9こ、いくつ分 3ふくろで 9×3=27こ。後半は ひき算:27-9=18こ 多い。1つの 問題の 中でも、前半と 後半で 聞かれて いる ことが ちがう ことに 注意します。

Q5のように、かけ算の あとに ひき算や たし算が つづく「2だん 構成」の 文章題は、3年生・4年生でも ずっと 出てきます。式を 1つ 作って 終わりに せず、「次に 何を 聞かれて いるか」を もう一度 文章に もどって 確認する くせを、2年生の うちから つけて おくと、後で とても 楽に なります。

まとめ

おうちの方へ

かけ算の九九は暗記で身につけられますが、文章題でそれをいつ使うかは別の力です。この2つが混ざると「九九は言えるのにテストの点が低い」という状態になりがちです。
おすすめは、問題を解いた後に「どれが1つ分だった?」と1つだけ聞き返すことです。答えの数字が合っていても、1つ分を正しく言えなければ、たまたま合っただけの可能性があります。
また、くらべる問題(ひき算)や、ちがう量を単純に合わせる問題(たし算)もときどき混ぜて出し、「かけ算の単元=全部かけ算」という思い込みを防ぐと、3年生のわり算の文章題(1つ分を求める・いくつ分を求める)にもスムーズにつながります。