「10-(3+2)」の ように、しきの 中に( )が 出て きます。1年生で ならった「前から 順に」の ルールに、かっこ という 新しい 道具が 加わります。
( )は、その 中を 先に 計算してね という しるしです。ふつうの しきは 前から 順に 計算しますが、かっこが あると そこだけ とくべつに 先回りします。
まず かっこの 中「3+2」を 計算して 5。そのあと「10-5」を 計算して、答えは 5です。かっこの 中を 計算して、ふつうの 数に 直してから、まわりの 計算を する。これが かっこの いちばん 大事な ルールです。
式を 読む ときは、かっこの 部分を 見つけたら「まず ここ」と 声に 出して みましょう。「10-(3+2)」なら「10 マイナス、かっこの中、3プラス2」と 読むと、計算する じゅんばんが 耳からも たしかめられます。声に 出す ことが めんどうに 思える 子も いますが、1年生の ときに「ふえたら +、へったら -」と 声に 出して たしかめた のと 同じ こつです。
1年生では「9-3-2」のように ひきざんが まじると、前から 順にしか 計算できないと ならいました。かっこを 使うと、わざと 先に する 場所を 変える ことが できます。そして、ひきざんが まじる ときは、場所を 変えると 答えも 変わります。
同じ 3つの 数「10・3・2」なのに、かっこの 場所で 答えが 5と 9の、ちがう 数に なりました。どこにかっこを つけるかで、しきの 意味そのものが 変わる のです。
ちなみに「(10-3)+2」は、かっこが ない「10-3+2」を 前から 順に 計算した ときと 同じ 答えに なります。かっこが ない ときは、いつも この「前から 順」の 計算を して いる、と 考える ことも できます。
チョコが 10こ あります。お姉さんに 3こ、妹に 2こを まとめて あげました。残りは 何こでしょう。
「まとめて あげた」という 場面は、「3と 2を 先に たして、それから 10から 引く」という 計算の しかたと ぴったり 合います。だから しきも「10-(3+2)」と、かっこを 使って 書くのが 自然です。
もし かっこを つけずに「10-3+2」と 書いて しまうと、「先に 3こ あげて、そのあと 2こ もらった」という、ぜんぜん ちがう 場面 の しきに 見えて しまいます。答えも 9こに なり、問題の 答え(5こ)とは 合いません。かっこは、文しょうの「まとめて」という 気もちを、しきの 中に そのまま のこして おく 道具 でもあるのです。
かっこが 2つ 出て くる こともあります。それぞれの かっこは、べつべつに 先に 計算して よいので、むずかしく ありません。
左の かっこ「8-2」は 6、右の かっこ「5-1」は 4。あとは「6+4」で 10です。かっこどうしを 計算する じゅんばんは どちらから 先でも 答えは 変わりません(たし算だけなら 入れかえても よい、と いう 1年生の きまりと 同じです)。大事なのは、かっこの 中を 先に、まわりより 先に 終わらせる ことだけです。
1年生の「3つの 数の けいさん」の さいごで、「2年生に なると(5+3)+2のように、かっこが 出て きます」と 先回りして しょうかいされて いました。この 単元が、まさに その つづきです。
| 学年 | 学ぶ こと |
|---|---|
| 1年生 | かっこの ない 式は 前から 順に。ひきざんが まじると 入れかえ不可。 |
| 2年生(この単元) | かっこが あれば、その 中を いちばん 先に 計算する。 |
| 3年生 | 「たしざんは 順番を 入れかえても よい」などの きまりを、ことばで くわしく ならう。 |
| 4年生 | かっこが なくても「かけ算・わり算を たし算・ひき算より 先に する」という ルールを ならう。 |
かっこは、この さきも ずっと 使い続ける 道具です。ここで「かっこの 中が いちばん 先」と しっかり おぼえて おくと、学年が 上がって 式が むずかしく なっても こまりません。
じつは、おとなが つかう 電たく(でんたく)にも、かっこの キーが ついて いる ものが あります。長い 式を 一度に 計算する とき、どこを さきに まとめるかを 自分で 決められる のが かっこの べんりな ところです。小学校で ならう 計算は すべて 数字で 書かれて いますが、中学校・高校に 上がると、数の かわりに 文字(xや yなど)が 入った 式にも 同じ かっこの ルールが そのまま つかわれます。
「10-(3+2)」を、かっこに 気づかず「10-3=7」から 計算して しまう まちがいです。しきを 読む ときは、かっこを 先に 見つけてから、そこだけ 先に 計算する くせを つけましょう。
「(3+2)」の「3」だけを かっこの 外の 計算に 使って しまい、「2」を 忘れる まちがいです。かっこの 中は 1つの まとまり として、答えが 出るまで 外には 出さない ことが 大事です。
「3こと 2こを まとめて あげた」のような 文しょうを 見ても、しきに かっこを つけずに「10-3+2」と 書いて しまう ことが あります。「まとめて」「いっしょに」という 言葉が 出て きたら、かっこを つかう しるし だと おぼえて おくと、しきの 意味を 文しょうと そろえられます。
「(8-2)+(5-1)」で、左の かっこの「8」と 右の かっこの「1」を さきに 組み合わせて しまうような、かっこを こえた 組み合わせを する まちがいです。それぞれの かっこは べつべつの 箱 だと 考え、1つの かっこの 中で 計算が 終わるまで、ほかの かっこの 数とは 混ぜない ように しましょう。
Q1 15-(4+3)を 計算しましょう。
A 4+3=7、15-7=8。
Q2 同じ 数を 使った(15-4)+3を 計算しましょう。Q1と 答えは 同じに なりますか。
A 15-4=11、11+3=14。Q1の 8とは ちがう 答えに なります。かっこの 場所で 答えが 変わる ことが わかります。
Q3 みかんが 12こ あります。お兄さんに 4こ、弟に 2こを まとめて あげました。残りは 何こですか。しきと 答えを 書きましょう。
A しき 12-(4+2)=12-6=6こ。
Q4 (6+4)-(3+2)を 計算しましょう。
A 6+4=10、3+2=5、10-5=5。
かっこは、見た目はただの記号ですが、子どもにとっては「式の中に優先順位がある」という初めての経験です。1年生で「ひき算がまじると入れかえられない」ことを学んだお子さんなら、「だから、わざと先に計算させたい場所にかっこをつけるんだ」という説明がすっと入ります。
家庭では、計算の答え合わせよりも先に、「このかっこは、文章のどの部分を表しているかな?」と聞いてみてください。「まとめて」「いっしょに」のような言葉を、かっこという記号に変換できているかを見ると、計算力ではなく読解力の確認になります。
かっこの位置を変えて答えが変わる体験(この記事のQ1・Q2のような)を一度しておくと、「かっこは単なる飾りではなく、式の意味を決める大事な部分だ」という感覚が育ちます。