ひっ算で まちがえる 子の ほとんどは、計算が できないのでは ありません。書きかたが ずれて いる のです。
1年生では「23+14」を 頭の 中で 計算して いました。2年生に なると、これを たてに 書いて 計算する 方法を ならいます。これが ひっ算です。
なぜ わざわざ たてに 書くのでしょうか。位ごとに 分けて 計算できる からです。
「23+14」を 頭の 中で やろうと すると、20+10と 3+4を 同時に 考えなければ なりません。数が 大きく なるほど 大へんです。
ひっ算なら、一の位だけ、十の位だけ と、1回に 1つの ことだけ 考えれば すみます。どんなに 大きい 数でも、やる ことは 同じです。むずかしい 問題を、かんたんな 問題に 分ける ── これが ひっ算の 発明です。
ひっ算で いちばん 大事なのは、計算の じゅんばん では ありません。数の 書きかた です。
とくに けた数が ちがう とき に ずれます。
右はしを そろえる。これを 徹底するだけで、ひっ算の まちがいは 大はばに へります。
ひっ算の 練習は、マス目の ある ノート で やります。1マスに 1つの 数字。これだけで 位が そろいます。
白い 紙や 罫線だけの ノートで やると、必ず ずれます。ここは 道ぐで 解けつできる 問題です。
ひっ算は 右(一の位)から 計算します。
なぜ 右からでしょうか。くり上がりが あるから です。
一の位を 計算して はじめて、十の位に くり上がるか どうかが 分かります。左から 計算すると、あとから くり上がって きて 書き直しに なります。
「28+15」を やって みます。
ポイントは くり上がった 1を 必ず 書く ことです。
「頭の 中で おぼえて おける」と 言う 子も いますが、けた数が ふえると 必ず わすれます。小さく でも 書く 習かん を つけて おくと、3年生・4年生で 助かります。
書く 場しょも 決めて おきます。ふつうは 十の位の 上に 小さく 書きます。どこに 書くか まいかい ちがうと、自分でも 分からなく なります。
ひっ算の 中で やって いる ことは、じつは 1年生で ならった くり上がりの たし算そのもの です。
つまり、1年生の くり上がりが すらすら できて いれば、ひっ算は かんたん です。ぎゃくに、そこが あやしいと ひっ算で 時間が かかります。
ひっ算で つまずいて いる 子の 多くは、ひっ算の 手じゅんが 分からないのでは なく、一の位の 計算に 時間が かかって いる だけ です。その 場合は、1年生の くり上がりに もどるのが 近道です。
ひっ算の 答えが 合って いるかを たしかめる 方法が いくつか あります。
「28+15」なら、30+15=45くらい。答えが 43なら「だいたい 合ってる」と 分かります。もし 答えが 13や 143に なったら、明らかに おかしいです。
この 「見当を つける」力 は、4年生の「がい数」で 本かく的に ならいます。2年生の うちから「だいたい いくつに なりそう?」と 聞いて おくと よいです。
じつは 大人も、買いものの ときに 無いしきに これを やって います。レジで 出た 金がくが 思って いたより 高ければ「あれ?」と 気づきます。だいたいの 見当が ある から、おかしい ことに 気づける のです。子どもの ひっ算も 同じで、答えが 出た あとに「だいたい 合ってる?」と 一しゅん 見る くせが つくと、ケタちがいの ミスは ほぼ なくなります。
「28+15」を「15+28」で 計算し直す。答えが 同じなら たぶん 合って います。
「28+15=43」が 正しければ、「43-15=28」に なります。これは 3年生いこうで つかえる 方法です。
2年生の 後半では、3つの 数を たす ひっ算 も 出て きます。
やる ことは 2つの ときと まったく 同じです。右から 順に、位ごとに たす。数が ふえても ルールは 変わりません。
ただし、一の位の 合計が 20を こえる ことも あります。「8+9+7=24」なら、4を 書いて 2 を くり上げます。くり上がりが 1とは かぎらないのです。
ここで つまずく 子が います。「くり上がりは いつも 1」と おぼえて しまって いるからです。「十の位の 数を くり上げる」 と 正しく 理かいして おく 必要が あります。
また、3つ たす ときは 10に なる 組み合わせを 先に 見つける と 速く なります。「4+8+6」なら、4と6で 10を 作って、+8で 18。1年生で ならった「10を 作る」考えかたが、ここでも 生きて います。
いちばん 多い ミスです。とくに けた数が ちがう とき。
マス目ノートを つかう、右はしを そろえる。この 2つで ほぼ 解けつします。
一の位で くり上がったのに、十の位に 足しわすれる。
必ず 書く こと。そして 十の位を 計算する とき、書いた 数から 読む。「1たす2たす1」と、くり上がりの 1から 声に 出します。
まちがえる たびに ぜんぶ 消して 書き直し、紙が 黒く なる。
まちがえたら 消さずに、下に もう いちど 書く ほうが よい ことも あります。どこで まちがえたかが 残るので、見直しに 役立ちます。
Q1 36 + 27 を ひっ算で。
A 一の位 6+7=13(3を 書き、1を くり上げ)、十の位 1+3+2=6。答え 63。
Q2 54 + 8 を ひっ算で。位に 注いです。
A 8は 一の位 に そろえます。4+8=12(2を 書き 1を くり上げ)、1+5=6。答え 62。
Q3 「47+38」の 答えは だいたい いくつに なりそう?
A 50+40=90くらい。じっさいの 答えは 85。見当と 近ければ 安心 です。
ひっ算の間違いを見つけたら、まず「計算間違いか、位のずれか」を見分けてください。この2つは原因も対策もまったく違います。
位のずれなら、マス目ノートを使うだけで劇的に減ります。市販の算数ノートは学年別にマスの大きさが違うので、お子さんの学年に合ったものを選んでください。
計算間違いなら、1年生の繰り上がりに戻ることをおすすめします。遠回りに見えますが、「8+5」が瞬時に出ない状態で筆算を練習しても、時間がかかるだけで身につきません。
また、繰り上がりの1を書かせることは、面倒でも徹底してください。3年生で3桁、4年生で大きな数を扱うとき、書く習慣があるかどうかで正答率がまったく変わります。