日記や 作文は「あったこと」を くわしく 書きます。詩は ちがいます。いちばん 伝えたい 気持ちだけを、短い ことばで きり取る 書きかたです。
2年生は これまで、日記や 作文で「いつ・どこで・だれが・何を した」を くわしく 書く 練習を して きました。
詩は その 反対です。くわしく 書かず、いちばん 心に のこった ところだけ を 取り出します。
| 書きかた | とくちょう |
|---|---|
| 日記・作文 | じゅんじょよく、くわしく 書く。文と 文が つながる。 |
| 詩 | 大切な ところだけ 短く 書く。行を 分けて 間を あける。 |
たとえば「きょう、公園で ブランコに のって、とても 高くまで こげて、うれしかった」を 作文で 書いたら 一文です。詩なら こう なります。
くわしい 説明を はぶいて、「むねが ふわっと する」という 気持ちの ことば だけを のこす。これが 詩の 書きかたです。
詩では、文の とちゅうでも 行を 変えて よいのです。これを 行分け と いいます。
同じ 内ようでも、行の 分けかたで うける 感じが 変わります。
行を 分けた ほうが、読む とき の 間 が うまれます。「たくさん」で 一回 止まって、「とんでいった」で 続ける。この 間が、木のはが とんで いく 様子を あじわわせて くれます。
行分けに 決まった ルールは ありません。「ここで 一回 止まりたい」と 感じた ところで 分ければ よいのです。声に 出して 読みながら、しっくり くる ところを さがします。
同じ ことばを くり返すと、気持ちの 強さが 伝わります。
「あめ」を 2回 くり返す ことで、雨が たくさん ふって いる 感じ、うれしい 気持ちが 強く なりました。
くり返しは、うたや わらべうたにも よく つかわれる 手法です。読んだ とき に リズムが 生まれる のも、くり返しの 力です。
今 いちばん 好きな ものの 名前を、詩の 中で 2回 くり返して みましょう。1回だけの ときと くらべて、気持ちの 強さが ちがって 感じられるはずです。
あるものを、別の ものに たとえて 表すと、様子が ぐっと つたわりやすく なります。
| ふつうの 言いかた | たとえた 言いかた |
|---|---|
| 雲が うごいて いる | 雲が ひつじの むれみたいに あるいて いる |
| 星が たくさん 光って いる | 空が ダイヤモンドを まいたみたいだ |
| 風が つよい | 風が おこって いるみたいだ |
「〜みたいだ」「〜のようだ」を つかうと、たとえの 文が 作りやすく なります。2年生の この 時期は、むずかしい 名まえを おぼえるより、「何に にて いるかな」と 考える 楽しさ を 味わう ことが 大切です。
また、生きものでは ない ものを、まるで 生きて いるかのように 表す 書きかたも あります。
花は わらいませんし、風は おしゃべりしません。でも こう 書くと、その ものへの 気持ちが 生きいきと 伝わる のです。この 表しかたは、6年生で 学ぶ「擬人法」という 技法の 一歩手前に あたります。
いきなり 長い 詩を 作る 必要は ありません。まずは 3行 から 始めます。
| 行 | 書く こと |
|---|---|
| 1行目 | だいの 名まえ(見た もの・感じた もの) |
| 2行目 | それが どんな 様子か(たとえても よい) |
| 3行目 | その とき の 気持ち |
この 3つの 質問に 答える だけで、詩の 形に なります。うまく 書こうと しなくて 大丈夫です。自分の ことばで、正直に 書いた 詩 が、いちばん よい 詩です。
詩は、書いて 終わりでは ありません。声に 出して 読む ところまでが、詩づくりの 大切な 一部です。
自分で 書いた 詩を 声に 出すと、思っても みなかった ことに 気づきます。「ここ、いきが 続かない」「この 行分けだと 早口に なりすぎる」。目で 読んで いる ときには 分からなかった リズムの ずれが、声に 出す ことで はっきり します。
学校では、書いた 詩を お友だちの 前で 発表する 時間が よく あります。発表を きく 側にとっても、よい 学びに なります。同じ「あめ」を テーマに した 詩でも、人に よって 行分けの しかたも、たとえの しかたも まったく ちがう ── その ちがいに ふれる ことで、「ことばの 選びかたは 一つじゃない」と 分かる からです。
おうちでも、書いた 詩を だれかに 読んで もらう じかんを つくって みてください。読んで もらう ことを 意しきすると、「もっと 伝わる 書きかたは ないかな」と 自分から くふうを 始める 子も います。
くり返しの 部分は、少し 声を 大きく したり、間を あけたり すると、気持ちが よりつたわります。「あめ あめ」の 2回目を、1回目より ゆっくり 読んで みる。それだけで、聞いて いる 人の 心に 残りかたが 変わります。
詩の たねは、とくべつな 出来事の 中だけに ある わけでは ありません。ふだんの くらしの 中にも たくさん かくれて います。
| 場めん | 詩の たねに なる こと |
|---|---|
| 朝おきた とき | まどから 入る 光、鳥の 声、ふとんの あたたかさ |
| 給食の 時間 | においが 教室に ひろがる 様子、いっしょに 食べる 楽しさ |
| 下校の 道 | ランドセルの 重さ、夕やけの 色、友だちとの 会話 |
| 夜、ねる 前 | 1日を ふり返って 心に のこった こと |
「特別な ことを 書かなければ」と 思わなくて 大丈夫です。むしろ、ふだんは 気に とめない ことに 目を 向ける ところに、詩の 面白さが あります。同じ 朝でも、「今日は 光が いつもより まぶしいな」と 感じられたら、それが もう 詩の 1行目に なります。
詩の テーマが 決まらない ことは よく あります。
いきなり 大きな テーマを さがすより、「今日 見た もの」「今日 食べた もの」「今日 びっくりした こと」 のように、身の まわりの 小さな ことから 始めると 書きやすく なります。
ぜんぶ 1行に つなげて 書いて しまう。
これは 詩に なれて いないだけで、まちがいでは ありません。「声に 出して 読んで、どこで 一回 いきを つく?」と 聞いて あげると、自然に 行が 分かれて きます。
「〜でした」「〜と 思いました」と、作文の 言いかたに なって しまう ことが あります。
これも 自然な 過ちで、責める ところでは ありません。「気持ちだけを 一つの ことばで 言うと?」と 聞き、たとえば「うれしかったです」を「うれしいな」「ふわっと」のように 短く 言いかえる 練習を すると、詩らしい 表しかたに 近づきます。
Q1 「雲が うごいて いる」を、何かに たとえて 書いて みましょう。
A 「雲が ひつじの ように あるいて いる」「雲が わたあめみたいに ふわふわだ」など、自分の 感じかたで OKです。
Q2 好きな きせつを 一つ えらび、そのだいめいだけの 詩の 1行目を 作って みましょう。
A たとえば「なつ」なら「せみが ないてる あついひる」。だいめいと 1行目が つながって いれば OKです。
Q3 「あめ」を くり返し つかって、2行の 詩を 作って みましょう。
A 「あめ あめ/かさが おどってる」のように、くり返しが 入って いれば 正かいです。
詩の学習は、正解が一つに決まらないぶん、大人がどう受け止めるかで子どものやる気が大きく変わります。うまい・下手を評価する前に、まず「この行、いいね」「そう感じたんだね」と、書かれた気持ちそのものを受け止めてあげてください。
おすすめは、親子でおなじテーマ(たとえば「今日の空」)で3行詩をそれぞれ書いて読み合うことです。大人の詩がうまい必要はまったくありません。むしろ大人が照れながら書く姿を見せることで、子どもも安心して自分のことばを出せるようになります。
詩づくりで育つ「気持ちをことばにする力」は、将来の作文・スピーチ・自分の考えを説明する力すべての土台になります。