2年 国語 にっきと作文

にっきと作文 ──「たのしかったです」で終わらせない

書けない いちばんの 原いんは、1日ぜんぶを 書こうと する こと。1つに しぼると、とたんに 書けるように なります。

なぜ 書けないのか

「日記を 書きなさい」と 言われて、えんぴつが 止まる。よく ある 光けいです。原いんは いくつか あります。

この うち、いちばん 大きいのが 「全部 書こうと する」 ことです。

× 全部 書こうと する 「朝 おきて、ごはんを 食べて、学校へ 行って、 べんきょうして、給食を 食べて、そうじして、 帰って、あそんで、ごはんを 食べて、ねました。」 → 何も 伝わらない、書くのも 大へん ○ 1つに しぼる 「今日、休み時間に けんじくんと ドッジボールを した。」 → ここから くわしく 書ける

日記は 記ろくでは なく、1つの ことを くわしく 書く もの。この 考えかたに 変えるだけで、多くの 子が 書けるように なります。

題ざいの 選びかた

「1つに しぼる」と 言っても、何を 選べば いいか 分からない 子も います。選ぶ 目安 を 教えます。

「今日 いちばん 心が 動いたのは いつ?」と 聞くのが いちばん かんたんです。

ふつうの 日で 何も なかった、と いう 子も います。その 場合は 小さな ことで かまいません。「給食の からあげが おいしかった」「ダンゴムシを 見つけた」。小さい 題ざいほど、くわしく 書きやすい のです。

大きな 行事は かえって 書きにくい

運動会や 遠足の 作文が 書きにくいのは、できごとが 多すぎる からです。
この 場合も 1つに しぼります。「運動会」では なく「かけっこの スタートの しゅんかん」。時間を 短く 切りとる ほど、書く ことが 見つかります。

組み立て ── はじめ・なか・おわり

2年生では、作文に 組み立て が ある ことを ならいます。

部分書く こと目安
はじめいつ・どこで・何が あったか1〜2文
なかくわしい ようす、会話、そのときの 気もちいちばん 長く
おわり思った こと、これから どうしたいか1〜2文

いちばん 大事なのは 「なか」を 長くする ことです。多くの 子は「はじめ」と「おわり」だけ 書いて 終わって しまいます。

△ はじめと おわりだけ 「今日、ドッジボールを しました。 たのしかったです。」 ○ 「なか」が ある 「今日、休み時間に ドッジボールを しました。 ぼくは さいごの 一人に なりました。 むねが ドキドキして、手が あせで べたべたに なりました。けんじくんが 『がんばれ!』と 言って くれました。ボールが 顔の 前を とんで いきました。よけられました。 みんなが 『すごい!』と 言って くれました。 うれしかったです。また やりたいです。」

ちがいは 「なか」の 中身 だけです。

「なか」を ふくらませる 4つの 方法

では、「なか」には 何を 書けば よいのでしょうか。4つの 材りょう が あります。

①会話を 入れる

だれかが 言った ことばを、そのまま「」で 書きます。会話が 1つ 入るだけで、文しょうが 生きて きます

「先生が ほめて くれました」より「先生が 『よく がんばったね』と 言って くれました」の ほうが、ずっと 伝わります。

②体の ようすを 書く

「うれしかった」の かわりに、そのとき 体が どう なったか を 書きます。

うれしい → 顔が にやにやした、とびはねた きんちょう → むねが ドキドキした、手が ふるえた くやしい → はが くいしばられた、なみだが 出そうだった

③音や 色を 書く

「ボールが とんで きた」より「ボールが ビュンと とんで きた」。カタカナの 音の ことばを つかうと、ようすが 見えて きます。

④そのとき 思った ことを 書く

行動だけで なく、頭の 中で 思った こと も 書けます。「『あぶない!』と 思いました」「どうしよう、と 頭が まっ白に なりました」。

この 4つの うち 2つでも 入れば、作文は ぐっと よく なります

「たのしかったです」の 代わり

作文の 終わりが いつも「たのしかったです」に なって しまう。とても よく ある なやみです。

これは 気もちを あらわす ことばを 知らない だけの ことが 多いです。ことばを 教えれば つかえるように なります。

ざっくりした ことばくわしい ことば
たのしかったわくわくした、むちゅうに なった、時間を わすれた
うれしかったとびあがりたく なった、心が あたたかく なった
かなしかったむねが きゅっと なった、なみだが 出そうだった
すごかったびっくりした、目を うたがった、感どうした

そして もう 一つ。終わりに「これから どうしたいか」を 書く と、作文が しまります。

「また やりたいです」「つぎは もっと うまく なりたいです」「今度は 弟にも 教えて あげたいです」── 未来の ことを 書くと、読んだ 人も 気もちよく 読みおわれます。

つまずきやすい ところ

その1 書く ことが ないと 言う

本当に 何も なかった 日も あります。その 場合は 「見た もの」から 始めます
「今日 見つけた もの」「今日 食べた もの」「今日 話した 人」。何か 1つ 決まれば、そこから 広がります。

その2 書き出しで 止まる

1行目が 書けずに 何分も 止まる。
書き出しの 型を いくつか 用意して おく と 楽です。「今日、〜しました。」「〜と いう ことが ありました。」「わたしは 〜が すきです。」
型が あれば、とりあえず 書き始められます。

その3 直されすぎて いやに なる

いちばん 気を つけたい ところです。作文を 赤ペンだらけに されると、書く ことが きらいに なります
直すのは 1回に 1つか 2つ。それより 内ように 反のうする ほうが 大事です。「けんじくん、応えんして くれたんだね」。読んで もらえた 実感が、つぎの 作文に つながります。

やって みよう

Q1 今日 いちばん 心が 動いた ことを、1つだけ 選びましょう。

A 小さな ことで かまいません。むしろ 小さい ほうが くわしく 書けます。

Q2 その とき、だれかが 何と 言いましたか。「」で 書いて みましょう。

A 会話が 1つ 入るだけで、作文が 生きて きます。

Q3 「うれしかった」を、体の ようすで あらわして みましょう。

A 「顔が にやにやした」「思わず とびはねた」など。気もちを 動きで 書く のが コツです。

Q4 書いた 作文を 読み返して、「なか」が 何行 あるか 数えて みましょう。

A 「なか」が 全体の 半分 以上 あれば 合かくです。半分より 少なければ、会話か 体の ようすを 1つ 足して みましょう。

もう 一つ、書きおわった あとに やって ほしい ことが あります。声に 出して 読む ことです。
目で 読むと 気づかない まちがいが、声に 出すと 見つかります。読みにくい ところ、意味が つながらない ところ ── 口が つまった ところが、直すべき ところです。
これは 大人が 文しょうを 書く ときにも つかう 方法です。2年生の うちから やって おくと、ずっと 役に立ちます。

まとめ

おうちの方へ

作文を見るとき、つい字の間違いや文法に目が行きますが、まず内容に反応してあげてください。「それ、悔しかったね」「よく頑張ったね」──書いた甲斐があったと感じられることが、次に書く力になります。
「書くことがない」と言われたら、質問で引き出すのが有効です。「今日、誰と話した?」「給食は何だった?」「休み時間、何して遊んだ?」──答えたことが、そのまま題材になります。
また、会話文を入れることは作文を劇的に良くします。「なんて言ってたの?」と聞いて、その言葉を書かせてみてください。一文入るだけで、まったく違う作文になります。