順番に 発表するだけでは、話し合いには なりません。人の 意見に 返す ことが できて、はじめて 話し合いです。
教室で よく 見る 光けいが あります。1人ずつ 順番に 意見を 言い、全員 終わったら「はい、では 次に 行きましょう」。
これは 発表 であって、話し合い では ありません。
| 発表 | 話し合い | |
|---|---|---|
| やる こと | 自分の 考えを 言う | 人の 考えを 聞いて 返す |
| 聞く 目的 | じゅんばんを 待つ | 自分と くらべる |
| 結か | 意見が ならぶ | 考えが 深まる・まとまる |
ちがいは 「返す」かどうか です。人の 意見を 聞いて、それに 対して 何か 言う。これが 話し合いです。
2年生の この 単元では、返しかたの 型 を おぼえます。型が あれば、2年生でも 話し合いが できるように なります。
人の 意見に 返す ときの 言いかたを、4つ おぼえます。
| 型 | 言いかた | つかう とき |
|---|---|---|
| ①同じ | 「わたしも 同じです。」 | 自分も 同じ 考えの とき |
| ②ちがう | 「わたしは ちがう 考えです。」 | べつの 考えが ある とき |
| ③つけたし | 「○○さんに つけたして…」 | 同じ 考えに 何か 足したい とき |
| ④しつもん | 「○○さんに 聞きたいのですが…」 | 分からない ところが ある とき |
この 4つを 教室に はって おくと、子どもは 見ながら つかえます。型が あると 発言の ハードルが 下がります。
とくに ①「同じです」 は 大事です。「もう 言われて しまった から 言う ことが ない」と だまって しまう 子が いますが、同じでも 言って よい のです。
むしろ「わたしも 同じです。なぜなら…」と 理由を 足す と、同じ 意見でも 中身が ちがって きます。同じ 結ろんに 別の 理由が あると 分かるのは、話し合いの 大きな 成果です。
返す とき、「○○さんの 意見に…」と 名前を 言う ように します。
だれの 意見に 対して 話して いるのかが はっきりし、話し合いの すじが 通ります。名前を 呼ばれた 子も、聞いて もらえた と 感じます。
2年生の 話し合いで、いちばん 育てたいのが 理由を 言う ことです。
理由が つくと、ほかの 人が 考えられるように なります。「たしかに 遠くから 見える ほうが いいな」「でも 赤は もう 使って いる かもしれない」。
理由が ない 意見に 対しては、「そう 思うんだね」で 終わって しまいます。話し合いが 進まない のです。
だから、「なぜなら」を 言う くせ を つけます。2年生には むずかしければ「〜だからです」でも かまいません。意見と 理由を セットに する ことが 大事です。
この「主張+理由」の 形は、5年生の 意見文、6年生の 提案文、そして 中学・高校の 小論文まで、ずっと つづく 基本の 形です。2年生の 話し合いで、その 土台が つくられて います。
2年生では、司会 を 経けんする ことも あります。司会の 仕事は 意外と 多いです。
2年生に 全部を 求めるのは 大へんです。①②③だけでも じゅうぶん です。
ただし、司会を やって みると 分かる ことが あります。手が 挙がらない ときの つらさ です。
この 経けんを した 子は、ほかの 人が 司会の とき、進んで 手を 挙げるように なります。立場を 変えて みて 分かる ── これも 大事な 学びです。
話し合いを して いると、意見が 分かれます。ここで どうするか。
2年生では、つぎの ような 方法を 学びます。
ここで 大事なのは、多数決を 最初に やらない ことです。
いきなり 手を 挙げて 数を 数えれば、話し合いは いりません。理由を 出し合って、考えが 変わる かもしれない ── そのために 話し合うのです。
そして、意見が 変わる ことは 立派な こと だと 教えます。「○○さんの 話を 聞いて、考えが 変わりました」と 言える 子は、ちゃんと 聞いて いる 子です。
大人でも、いちど 言った ことを 変えるのは むずかしい ものです。「変わって いい」 と 早い うちに 伝えて おく ことに、大きな 意味が あります。
クラス全体で 話し合うと、どうしても 話す 子と 話さない 子 に 分かれます。30人 いれば、1時間で 全員が 話すのは むりです。
そこで つかわれるのが ペアや 少人数で 話す 方法です。
この 順に すると、全員が 必ず 1回は 話せます。しかも ②で いちど 声に 出して いるので、③で 発表する ときも 言いやすく なります。
そして もう 一つ 良い ことが あります。②で 相手の 考えを 聞いて いる ので、③で「○○さんは こう 言って いました」と 人の 意見を しょうかいする ことも できます。
自分の 意見を 言うのが はずかしい 子でも、人の 意見を 伝えるなら 言える ことが あります。これは 発言の きっかけとして とても 有こうです。
家庭でも 同じです。いきなり「どう 思う?」と 聞くより、まず 考える 時間を あげる。「ちょっと 考えて みて」と 言って、10秒 待つ。それだけで 答えの 中身が 変わります。
だれも 発言しない。よく ある 場面です。
原いんの 多くは 「まちがえたら はずかしい」。だから 「同じです」でも いい と 伝えます。ハードルが 下がると 手が 挙がります。
また、となりの 人と 先に 話す 時間 を とると、発言が 増えます。1人で 考えるより、話して からの ほうが 言いやすい からです。
前の 人と まったく 関係ない ことを 言う。
これは 返しかたの 型を 知らない だけの ことが 多いです。「同じ? ちがう? どっち?」と 聞くだけで、意しきが 前の 人に むきます。
「なんとなく」しか 出て こない。
2年生には ふつうの ことです。「どうして そう 思ったの?」と 聞いて、待つ。すぐに 答えを 求めず、5秒 待つと 出て くる ことが あります。
出て こなければ「たとえば、こういう 理由かな?」と 案を 出して、選ばせても かまいません。
Q1 人の 意見に 返す 4つの 言いかたを 言えますか。
A 「同じです」「ちがいます」「つけたします」「しつもんです」。
Q2 「ぼくは 犬が すきです」に 理由を つけましょう。
A 「なぜなら、いっしょに さんぽに 行けるからです」など。理由が つくと 話が 広がります。
Q3 話し合いで 考えが 変わったら、なんと 言いますか。
A 「○○さんの 話を 聞いて、考えが 変わりました」。変わるのは よい こと です。
話し合いの力は、家庭での会話の質に大きく影響されます。特に「なぜそう思うの?」と理由を聞く習慣があるかどうかで差がつきます。
ただし、詰問にならないよう気をつけてください。「なんで?」を厳しい口調で繰り返すと、子どもは考えるのをやめてしまいます。「へえ、どうしてそう思ったの?」と、興味を持って聞くのがコツです。
また、家族で何かを決めるとき(週末の予定、夕飯のメニューなど)に、お子さんの意見と理由を聞いてみてください。実際に自分の意見が通る経験は、話し合いへの意欲を大きく高めます。
「意見が変わってもいい」ことも、ぜひ大人が実演してみせてください。「なるほど、そう言われると確かにそうだね」と大人が言う姿は、何よりの教材になります。