英語で野さいの名前を言おう ── カタカナで知っている名前ほど、英語ではちがう音

この単元について

野さいの名前は、英語をならう前からカタカナで知っているものがたくさんあります。トマト、ポテト、コーン、キャベツ。だから「もう英語で言える」と思いがちですが、じっさいに外国の人に言ってみると通じないことがあります。理由は、カタカナはもとの英語の音をそのまま写したものではないからです。この単元は、新しい言葉をゼロからおぼえるのではなく、すでに知っている言葉の音をなおしていくところが他の単元とちがいます。知っているつもりの言葉ほど、口に出すと発見があります。

台所にある野さいの英語

まずは、給食や家のごはんによく出てくるものから見ていきます。右のらんには、日本語のカタカナと英語のどこがずれているかを書きました。

日本語英語近い読み方カタカナとのずれ
トマトtomatoトメイトウまん中が「マ」ではなく「メイ」に変わる
じゃがいもpotatoポテイトウ「ポテト」ではなく、まん中がのびる
にんじんcarrotキャロットはじめは「カ」より口を横に開いた「キャ」
たまねぎonionアニオン「オニオン」ではなく、はじめが「ア」に近い
きゅうりcucumberキューカンバーカタカナで見かけないので、まるごと新しい言葉
キャベツcabbageキャベジおわりが「ツ」ではなく、にごる「ジ」
とうもろこしcornコーンほぼそのまま通じる、めずらしい仲間
ピーマンgreen pepperグリーンペパー「ピーマン」は英語ではない(もとはフランス語)
さつまいもsweet potatoスウィートポテイトウ「あまいじゃがいも」という組み立て
だいこんdaikon / white radishダイコン日本語のまま英語になった言葉

「ピーマン」と「ダイコン」は反対むき

この表でおもしろいのは、いちばん下の2つです。ピーマンは英語だと思われているのに英語ではなく、だいこんは日本語なのにそのまま英語の辞書にのっています。言葉は国境をこえて行ったり来たりしていて、カタカナ=英語ではないということが、この2つを並べるとはっきり分かります。むずかしく考えず、「へえ」と思えたらそれで十分です。

ひとまとめに言うときは vegetables

野さい全体をさすときは vegetable(ベジタブル)です。ただし、ごはんの話をするときはたいてい何本もの野さいをまとめて言うので、うしろに s を付けた vegetables の形で使われます。

I like vegetables. → 野さいが好きです(ぜんぶまとめて) I like carrots. → にんじんが好きです(何本かのにんじん) Eat your vegetables! → 野さい食べなさい!(家でよく言われるひとこと)

「1本のにんじん」ならば a carrot ですが、好きかどうかを言うときはふつう s を付けます。1つを指さしているのか、そのなかま全部の話をしているのかで形が変わる、という感覚だけつかめれば、小2ではじゅうぶんです。

色や形をくっつけて長く言う

色の言い方をならった人は、それを野さいの前にくっつけるだけで言えることがふえます。英語ではようすを表す言葉が先、名前があとという順番です。日本語も「赤いトマト」と同じ順なので、まちがえにくいところです。

言いたいこと英語
赤いトマトa red tomato
みどりのきゅうりa green cucumber
オレンジ色のにんじんan orange carrot
長いだいこんa long daikon
まるいたまねぎa round onion

3つ目だけ a ではなく an になっているのに気づいたでしょうか。orange のように「ア・イ・ウ・エ・オ」に近い音で始まる言葉の前では、言いやすいように an に変わります。理由をおぼえるより、声に出したときに言いやすいほうが正しいと考えたほうが早いです。

生活科のはたけと、そのまま結びつく

2年生は生活科でミニトマトやさつまいもを育てます。そこが、この単元のいちばん強い味方です。教科書の絵を見て言葉をおぼえるのと、自分が水をやった鉢を指さして言うのとでは、残り方がまるでちがいます。

はたけで使えるひとこと

This is my tomato. これはわたしのトマトです It's green. まだみどりです It's red now! 赤くなった! Look! Three tomatoes. 見て!トマトが3こ

観察カードに日本語で記ろくしたあと、そのうち1行だけを英語で書きそえる。これだけで、生活科と英語が1枚の紙の上でつながります。毎回でなくてかまいません。実がなった日など、うれしい日にだけ書くほうが続きます。

学校でよくやる活動

1. やさいカードの仲間分け

絵カードを配り、「土の中にできるもの(potato・carrot・onion)」と「土の上にできるもの(tomato・cucumber・corn)」に分けます。分けながら名前を口に出すので、理科的な見方と英語がいっしょに入ります。

2. 一文字めクイズ

先生が「シー」とアルファベットの音だけ言い、carrot・cucumber・cabbage・cornのどれかを当てます。同じ音で始まる野さいが多いので、はじめの音に耳を向ける練習になります。

3. サラダづくりごっこ

紙のボウルに、班のみんなが1つずつ野さいカードを入れながら「Tomato, please.」と言っていきます。最後に「Our salad has tomato, corn, and cabbage.」とできあがりを発表します。

4. 給食こんだて表さがし

その日のこんだて表を見て、英語で言える野さいがいくつ入っているかを数えます。数がその日ごとに変わるので、まいにち同じ活動でもあきません。

つまずきやすいところ

1. カタカナのまま読んでしまう

いちばん多いのが「トマト」「ポテト」とそのまま言ってしまうことです。これは覚えていないのではなく、先に日本語で覚えすぎているために起きます。

2. cabbage のおわりを「ツ」と言う

キャベツの「ツ」は日本語だけの音で、英語では「ジ」に近くにごります。

3. ピーマンが通じずにこまる

自信をもって「ピーマン」と言ったのに通じない、という体験は少しショックです。

4. s を付けたり付けなかったりで止まる

正しさを気にして声が小さくなるのは、いちばんもったいないつまずきです。

家でできる短い練習

1. 冷ぞうこの野さい室を開けて3つ

野さい室を開け、目に入ったものを3つだけ英語で言います。時間にして10秒ほど。短く終わることが、続けるための条件です。言えないものがあったら、そこで調べればその日の1語になります。

2. 買い物でのカゴ入れ係

スーパーで、野さいをカゴに入れる係をまかせます。入れるときにその名前を英語で言う、というルールにするだけで、買い物ぜんぶが練習になります。

3. 切る前の当てっこ

料理の前に、まな板の上の野さいを見せて「What's this?」と聞きます。切ったあとの形でもう一度聞くと、同じ野さいでも見え方が変わっておもしろがります。

4. こんだて発表

夕食のとき、その日使われた野さいを1つだけ英語で言ってもらいます。家族に向かって言うので、発表の練習にもなります。

他の学びとのつながり

生活科

そだてる・かんさつする・食べるという生活科の流れの、どの場面にも野さいの名前が出てきます。英語だけの時間をつくらず、すでにやっている活動に1語のせるのがいちばん無理がありません。

図工

切った野さいの断面をスタンプにする活動では、押しながら「potato」「okra」と言うことができます。作品カードに英語名を1つ書きそえるのもおすすめです。

算数

「にんじんが3本、たまねぎが2こ」のように数と組み合わせると、これまでならった数の言い方をもう一度使う場面になります。

まとめ

野さいは、毎日どこかで必ず目に入ります。だからこそ、机に向かってまとめて覚えなくても、冷ぞうこの前で1語、食たくで1語と積み上がっていきます。言い方が少しちがっていても、指さして言えたなら、それはもう伝わったということです。