1年 生活 はの みがき方

はの みがき方 ── みがいたのに むし歯に なる 場しょは 決まって いる

まい日 はを みがいて いる のに、しかの 先生に 「ここ、あぶないね」と 言われる ことが あります。ふしぎに 思うかも しれません。でも これは みがく 力が 足りない からでは ありません。ブラシが 当たって いない 場しょが、いつも 同じ なだけです。当たって いない 場しょは、じつは 3つに きまって います。この 記じでは、その 3つと、当てる ための 手じゅんを まとめます。

むし歯は 「よごれ」では なく 「時間」で できる

はじめに、むし歯が どう やって できるかを 一つだけ おぼえます。口の 中の ばいきんが、食べものの あまい ものを 食べて、すっぱい 水(さん)を 出します。その すっぱい 水が、はの 外がわを 少しずつ とかします。これが むし歯です。

ここで 大じな ことが あります。すっぱい 水は 食べて すぐ 出て、そのあと しばらく つづきます。つまり むし歯は 「どれだけ よごれたか」より 「すっぱい 時間が どれだけ 長かったか」で 決まります。おかしを 1回で 食べきる 子より、少しずつ 半日 かけて 食べる 子の ほうが、じつは あぶない のは この ためです。

そして 口の 中には、すっぱい 水を もとに もどして くれる ものが あります。つば です。つばは 一日じゅう 出て いますが、ねて いる あいだは ほとんど 出ません。だから 夜、ねる 前の はみがきが いちばん 大じ なのです。朝の はみがきを がんばって、夜を てきとうに するのは、じゅんばんが ぎゃくに なって います。

当たって いない 場しょ ① いちばん おくの 「6さい臼歯」

1年生の ころ、口の おくに 大人の は が 1本 生えて きます。6さい臼歯(ろくさいきゅうし) と いいます。ぬけた あとに 生えて くるのでは なく、いまの はの もっと おく に、いつの まにか 出て きます。だから 生えた ことに 気づかない まま の 子が とても 多い です。

この はは、一生 つかう 大人の はです。それなのに、むし歯に なりやすい 3つの りゆうが あります。

6さい臼歯が あぶない りゆう ① いちばん おく → ブラシが とどきにくい ② 生えかけで ひくい → となりの はより 低くて、毛先が 当たらない ③ みぞが 深い → かむ 面の みぞに 食べかすが のこる

とくに ②が 大じです。生えて いる とちゅうの あいだ、その はだけ まわりより 一だん 低い ところ に あります。ブラシを まっすぐ 前から 当てると、毛先は 手前の はに ぶつかって、おくの 低い はには ふれない まま 通りすぎます。みがいた つもりで、一度も 当たって いない のです。

当てかたは 一つです。ブラシを 口の よこから 入れて、かむ 面に まっすぐ 上(下)から 当てます。口は 大きく 開けすぎない ほうが 入ります。大きく 開けると ほほが つっぱって、おくに 手が 入らなく なる からです。おくの 1本は、そこだけ 10回 かぞえて みがきます。

当たって いない 場しょ ② はと はの あいだ

ブラシの 毛先は、はの まるい 面 には よく 当たります。けれども、はと はの あいだの すきま には ほとんど 入りません。むし歯が できる 場しょを しらべると、かむ 面の みぞと この あいだが とても 多い です。

1年生の うちは、じぶんで 糸(デンタルフロス)を つかうのは まだ むずかしい ので、まずは ブラシを ななめに 当てる ことを おぼえます。まっすぐ 当てると 毛先は 平らに つぶれるだけ ですが、すこし ななめに して 小さく 動かす と、毛の 先が すきまの 入口まで 入ります。

ここで やって しまいがち なのが、力を 入れる ことです。強く おすと 毛先が 横に 広がって しまい、かえって すきまに 入りません。さらに 歯ぐきを きずつけます。正しい 力は 「はブラシを つめに 当てて、毛先が ほとんど 曲がらない くらい」 です。ためして みると、思ったより ずっと 軽い ことが 分かります。

当たって いない 場しょ ③ 前ばの うらがわ

3つめは 前ばの うら です。かがみで 見えないので、みがいたか どうか 自分で たしかめられません。しかも 前ばの うらは まるく へこんで いて、ブラシを 平らに 当てると 先だけ、または 横だけ しか ふれません。

ここは ブラシを たてに して、かき出す ように 動かします。えんぴつを もつように ブラシを もつと、たてに しやすく なります。上の 前ばは 上から 下へ、下の 前ばは 下から 上へ。左右に ごしごし するより、たてに 3回ずつ の ほうが よく とれます。

「順ばん」を 決めると、みがき のこりが へる

ここまで 3つの 場しょを 見て きました。でも 「そこも みがこう」と 思って いても、じっさいには わすれます。理ゆうは かんたんで、毎日 ちがう ところから みがき はじめて いる からです。気が むいた ところから みがくと、どこを 通ったか 分からなく なります。

そこで、コースを 1つ 決めて、毎日 同じ 道を 通ります。したくの ときに 時間わりを 上から なぞるのと 同じ かんがえ方です。順ばんが 決まって いれば、数える 必ようが ありません。

まい日 おなじ コース(れい) ① 右おく(かむ 面)→ ② 右おく(そと)→ ③ 前ば(そと) ④ 左おく(そと) → ⑤ 左おく(かむ 面) ⑥ 左おく(うち) → ⑦ 前ば(うら・たて)→ ⑧ 右おく(うち) さいごに もう一度 ①の いちばん おくへ もどる

さいごに おくへ もどるのは、いちばん あぶない 場しょを、いちばん わすれにくい 「おわり」に おく ためです。はじめは 大人と いっしょに、声に 出して 順ばんを 言いながら やると おぼえられます。

じぶんで みがいた あと、大人に 見て もらう

1年生の 手は、まだ こまかく 動かせません。じぶんで みがくのは れんしゅう です。れんしゅう だけでは とれない ところが のこるので、夜だけは 大人に 「しあげみがき」を して もらいます。

しあげみがきは、ねころんで、頭を 大人の ひざに のせて します。立ったまま 前から だと、口の 中が 見えません。上から のぞきこむと、おくの はも、前ばの うらも 見えます。見える ことが、当てられる ことです。

「もう 1年生 なのに はずかしい」と 思う 子も います。でも 大人でも、自分の おくばが 見えない のは 同じです。見えない ところを 見て もらう だけ だと 分かれば、はずかしい ことでは ありません。

たしかめて みよう

Q1 むし歯は 何で できますか。

A 口の 中の ばいきんが あまい ものを 食べて 出す すっぱい 水(さん) が、はを とかして できます。

Q2 朝と 夜では、どちらの はみがきが 大じ ですか。それは なぜですか。

A 夜。ねて いる あいだは つばが ほとんど 出ない ので、すっぱい じょうたいが 長く つづく からです。

Q3 6さい臼歯は どこに 生えますか。なぜ むし歯に なりやすい ですか。

A いまの はの もっと おく に 生えます。おくで とどきにくい うえ、生えかけで となりより 低い ため、毛先が 当たらない からです。

Q4 はブラシを 強く おすと、どう なりますか。

A 毛先が 横に 広がって、すきまに 入らなく なります。歯ぐきも きずつきます。つめに 当てて ほとんど 曲がらない くらいが よい 力です。

Q5 前ばの うらは、どう みがきますか。

A ブラシを たてに して、かき出す ように 動かします。へこんで いるので、平らに 当てると 先か 横しか ふれません。

Q6 毎日 同じ 順ばんで みがくのは、なぜ ですか。

A どこを みがいたか 数えなくて よく なる からです。ちがう ところから 始めると、通って いない 場しょが 毎日 かわります。

まとめ

おうちの方へ

小学校に上がると仕上げみがきをやめてしまうご家庭が多いのですが、歯みがきに関しては就学が卒業のタイミングにはなりません。手指の細かい操作が安定してくるのは10歳前後で、それまでは自分みがきだけでは奥歯と歯間に磨き残しが出ます。毎食後すべてを見る必要はなく、夜の一回だけ、寝かせみがきで奥を確認するだけでも状況は大きく変わります。

とくに注意していただきたいのが6歳臼歯です。抜けた歯の後に生えるわけではないため、生えたことに保護者も気づかないまま数か月経つことがあります。萌出途中は歯の頭が歯ぐきに一部おおわれていて周囲より低く、通常のブラッシングでは毛先が届きません。ブラシを横から入れ、かむ面に対して直角に当てる「奥だけ別扱い」の一手間が要ります。

また、回数を増やすよりだらだら食べを減らすほうが効果が大きい点も知っておくと役に立ちます。おやつは時間と回数を決め、飲み物は食事以外では水かお茶にする。これだけで口の中が酸性に傾く時間が短くなります。仕上げみがきを嫌がる時期には、叱って続けるより「奥の一本だけ見せて」と範囲を限定するほうが結局長続きします。かかりつけの歯科で年に数回の確認を受けられると、フッ化物塗布やシーラントなど専門的な予防も選択肢に入ります。