1年 生活 きせつとあそぶ

きせつとあそぶ ── 同じ場所を4回見ると変化が見える

1年 かけて つづく、めずらしい 単元です。コツは たった 一つ、同じ 場しょを くりかえし 見る こと。

1年かけて 行う 単元

この 単元は、ほかと ちがって 1年生の 4月から 3月まで、ずっと つづきます。春・夏・秋・冬 それぞれの 時期に 外へ 出て、気づいた ことを 記ろくします。

なぜ こんな 長い 時間を かけるのでしょうか。季節の 変化は、その 場に いても 見えない からです。

暑い 日が つづいて いる とき、「夏だ」と 分かります。でも、春から 夏へ どう 変わったか は、その 日 だけを 見て いても 分かりません。前と くらべて はじめて 変化が 見えます。

だから この 単元では、記ろくを のこす ことが とても 大事に なります。春の 絵、夏の 絵、秋の 絵、冬の 絵。4まい ならべた とき、はじめて「こんなに 変わったんだ」と 分かるのです。

いちばん 効く 方法 ── 同じ 木を 4回 見る

季節の 変化を 実感させる、いちばん かんたんで 強い 方法が これです。校ていの 木を 1本 決めて、4回 見に 行く

季節桜の 木の ようす
春(4月)花が いっぱい。葉は まだ 少ない
夏(7月)花は ぜんぶ 落ち、緑の 葉が しげる。かげが できる
秋(10月)葉が 赤や 黄色に。地めんに 落ち葉
冬(1月)葉が ぜんぶ 落ちて、えだだけ。よく 見ると 小さな 芽

同じ 木なのに、まるで べつの 木の ようです。同じ 場しょから 同じ 木を 見る ── これを 定点観測ていてんかんそく と いいます。

とくに 気づかせたいのが 冬の えだの 先に ある 小さな 芽 です。何も ない ように 見える 冬の 木にも、ちゃんと 春の じゅんびが できて います。「これ、何だと 思う?」と 聞いて みて ください。

写真より 絵

写真を とるのも よいですが、絵に かく ほうが よく 見ます。かく ためには 見ないと いけない からです。
うまく なくて かまいません。「葉が ある/ない」「色は 何色」が かき分けられて いれば、それは よく 見た しょうこです。

季節ごとの あそび

この 単元の もう 一つの 柱が 季節の 自ぜんを つかった あそび です。

たんぽぽの わた毛を とばす。シロツメクサで かんむりを 作る。つくしを さがす。
春は 「見つける」あそび が 中心です。冬の あいだ 何も なかった 場しょに、いろいろな ものが 出て きます。

水あそび。しゃぼん玉。せみの ぬけがら さがし。
夏は 「音」も 手がかり です。せみの 声、雷、風りん。目を つぶって 耳を すます あそびも できます。

どんぐり、まつぼっくり、落ち葉あつめ。集めた もので おもちゃを 作る。
秋は 「集める」あそび の きせつです。しゅるいの ちがう どんぐりを ならべて くらべると、形が ずいぶん ちがう ことに 気づきます。

こおりを 作る。しもばしらを ふむ。かげふみ(冬は かげが 長い)。
冬は 「さむさ」そのものが 教ざい です。外に 水を 置いて おくと こおる。これは 4年生の 理科「水の すがた」に つながる 体けんです。

五感を つかう

季節を 感じるのは、目 だけでは ありません。5つの かんかく ぜんぶ を つかいます。

かんかく
花の 色入道ぐも紅葉雪・しもばしら
鳥の 声せみの 声虫の 声しずか
はだあたたかい 風あつい 日ざしすずしい 風つめたい 空気
はな花の におい草の においおちばの においにおいが 少ない

とくに 耳と はだ は、ふだん 意しきしません。「目を つぶって 聞いて みよう」「風は つめたい? あたたかい?」と 声を かけるだけで、感じる ことが ふえます。

おもしろいのは、冬は 音が 少ない ことに 気づく 子が いる ことです。虫も 鳥も 少なく、しずかに なる。「音が ない」ことに 気づけたら、それは とても するどい 観察です。

なぜ 季節が あるのか

1年生が よく 聞く しつもんです。「どうして 冬は さむいの?」

答えは 地きゅうの かたむきに あるのですが、これは 6年生でも むずかしい 内ようです。1年生には、「太陽の 高さが ちがうから」 くらいで じゅうぶんです。

じっさい、これは 子どもでも たしかめられます。かげの 長さ を くらべるのです。

夏の 昼 太陽が 高い → かげが みじかい 冬の 昼 太陽が ひくい → かげが ながい

同じ 時こく、同じ 場しょで かげの 長さを はかると、夏と 冬で はっきり ちがいます。冬は 昼でも かげが とても 長く のびます。

「太陽が ひくい ところを 通る から、あたためる 力が 弱い。だから さむい」── これで 1年生には じゅうぶん 通じます。

この かんさつは、3年生の 理科「太陽と かげ」で 本かく的に 学びます。1年生の うちに 「かげの 長さが 季節で ちがう」 と 気づいて いれば、そのときに すっと 入ります。

季節と くらしの つながり

季節が 変わると、くらしも 変わります。ここに 気づかせるのも この 単元の ねらいです。

季節服そう食べもの行事
うわぎを ぬぐいちご、たけのこ入学しき、ひなまつり
はんそですいか、そうめんたなばた、なつまつり
長そでさつまいも、くりうんどうかい、お月見
コート、手ぶくろみかん、なべおしょうがつ、せつぶん

子どもに とっていちばん 分かりやすいのは 食べもの です。「すいかは いつ 食べる?」「みかんは?」── 食べものと 季節は しっかり むすびついて います。

ただし 今は、1年中 何でも 手に 入る 時代です。だからこそ 「その 季節に とれる もの(しゅん)」 を 知る 意味が あります。しゅんの ものは おいしくて 安い。これは 2年生の「やさいを そだてる」にも つながります。

つまずきやすい ところ

その1 前の 季節を おぼえて いない

秋に なった とき、「春は どうだった?」と 聞いても 思い出せない。1年生には 半年前は はるか 昔です。
だから 記ろくが 必要 なのです。前に かいた 絵を 見せながら「これが 春だよ。今と どこが ちがう?」と くらべさせます。

その2 「あそんだ」だけで おわる

落ち葉あそびを して 楽しかった、で 終わって しまう。
「どうして 秋に 落ち葉が あるの?」 と 一言 聞くだけで、あそびが 学びに 変わります。答えは 分からなくて かまいません。ふしぎに 思う ことが 大事 です。

その3 季節の 名まえと 実感が つながらない

「春・夏・秋・冬」は 言えるのに、今が どの 季節か 分からない。
カレンダーと 外の ようすを つなげて あげます。「今 10月だね。木の 葉、何色に なってる?」。月と 季節と 見た目 の 3つが つながると、実感に なります。

やって みよう

Q1 家の 近くの 木を 1本 決めて、季節ごとに 見に 行きましょう。

A 写真か 絵で 記ろくします。4まい たまると、変化が はっきり 分かります。

Q2 今の 季節は 何ですか。そう 思った 理由を 3つ 言えますか。

A 「せみが 鳴いて いる」「あつい」「かき氷を 食べる」など。目・耳・はだ、それぞれから 探せたら すばらしいです。

Q3 冬の 木の えだの 先に ある 小さな ものは 何でしょう。

A 。春に なると ここから 葉や 花が 出て きます。冬でも じゅんびを して いるのです。

まとめ

おうちの方へ

この単元は学校だけでは完結しません。学校で見るのはせいぜい季節に1〜2回ですが、家庭では毎日が観察の機会です。
おすすめは、通学路や家の近くで「わが家の木」を1本決めることです。特別なことをしなくても、通るたびに「葉っぱ、増えたね」と一言かけるだけで、子どもは変化に目を向けるようになります。
また、この単元で育つ「同じものを繰り返し見て変化に気づく」力は、4年生の理科「季節と生き物」でそのまま使います。そこでは1年間の定点観測が本格的な課題になります。今の経験が、そのまま土台になります。