きれいな 作品を 作る 単元では ありません。「なんで うまく いかないんだろう」と 考える 時間 が、この 単元の 本体です。
この 単元では、すてる はずだった もの を つかって おもちゃを 作ります。
| ざいりょう | 作れる もの | とくちょう |
|---|---|---|
| 牛にゅうパック | ふね、パッチンがえる、こま | じょうぶ、水に 強い、切りやすい |
| ペットボトル | マラカス、水でっぽう、ロケット | とうめい、中が 見える |
| 紙コップ | けん玉、糸でんわ、とび出す おもちゃ | かるい、かさねられる |
| わゴム | うごく しかけ ぜんぶ | のびる、もどる 力が ある |
| どんぐり | こま、やじろべえ、マラカス | 秋に たくさん 手に 入る |
| トイレットペーパーの しん | つつの おもちゃ、けん玉 | まるい、ころがる |
ここで 大事なのは、ざいりょうの せいしつを 使って いる ことです。
わゴムが 動く しかけに つかわれるのは、のびて もどる 力 が あるから。ペットボトルが マラカスに なるのは、中が 見えて、音が ひびく から。ものの せいしつを 見て、それに 合った 使いかたを する ── これが この 単元の 大きな ねらいです。
いきなり 作りはじめる 前に、どんな ふうに 動かしたいか を 考えます。
やりたい ことが 決まると、必要な ざいりょうが 決まります。「とばしたい」なら、力を ためられる もの(わゴム、ばね)が いる。「音を 出したい」なら、中で 動く もの(ビーズ、どんぐり)が いる。
この 「目てき → ざいりょう」の 順ばん は、じつは ものづくりの きほんです。作りたい ものが 先に あって、それに 合わせて 材りょうを 選ぶ。ぎゃくに ざいりょうから 考えると、何を 作れば いいか 分からなく なります。
作りはじめると、必ず うまく いかない ことが 出て きます。
ここが この 単元の いちばん 大事な 場めん です。うまく いかない とき、子どもは はじめて「なぜ?」と 考えます。
| こまった こと | 考える こと | やって みる こと |
|---|---|---|
| こまが すぐ 止まる | じくが まん中に ある? | じくの 位置を 直す、重さを そろえる |
| 車が まがって しまう | 左右の 車りんが 同じ? | 大きさを そろえる、じくを まっすぐに |
| ふねが ひっくり返る | 上が 重すぎない? | 下に おもりを つける、はばを 広く |
| とれて しまう | その のりで 合ってる? | セロテープ、ボンド、ホチキスを 使い分ける |
大人が つい やって しまうのが、すぐ 直して あげる ことです。でも それでは、いちばん 大事な 時間を うばって しまいます。
「どうして 止まっちゃうんだろうね」 と、いっしょに 考える。答えを 言わずに、いっしょに ためす。直す 過ていが 学習の 中身 なのです。
意外と 大事なのが、くっつける 道ぐの 使い分け です。1年生は たいてい ぜんぶ セロテープで すませようと します。
| 道ぐ | むいて いる もの | むかない もの |
|---|---|---|
| のり | 紙と 紙(平らな 面) | プラスチック、力が かかる ところ |
| セロテープ | かるい もの、かりどめ | 強い 力が かかる ところ |
| ボンド | 木、布、しっかり つけたい とき | すぐ つかいたい とき(かわくのに 時間) |
| ホチキス | 紙を 何まいも まとめる | あつい もの、けがの きけん |
| ガムテープ | 大きい もの、じょうぶに | 細かい ところ |
「すぐ とれちゃう」と いう とき、くっつけかたが 合って いない ことが 多いです。「ここは 力が かかるから、ボンドの ほうが いいかもね」と 声を かけると、道ぐを 選ぶ という 考えかたが 育ちます。
作りおわったら、必ず あそびます。ここも 大事です。
あそんで みて はじめて 分かる ことが あります。「思ったより 飛ばない」「すぐ こわれた」。使って みて 気づく ── これが つぎの くふうに つながります。
そして 友だちの 作った ものを 見る 時間も とります。同じ ざいりょうから、まったく ちがう ものが 生まれて いる ことに おどろきます。
「どうやって 作ったの?」と 聞き合う。教え合う。まねる ことは わるい ことでは ありません。よい ところを 取り入れて、自分の ものを もっと よく する。これは ものづくりの 正しい やりかたです。
あそんで いると こわれます。それで いいのです。こわれたら 直す。直す ときに また 考えます。
「同じ ところが 何回も こわれる」なら、そこが 弱点です。作りかたを 変える チャンスです。
ものを 作る ときは、道ぐを つかいます。1年生に とっては、道ぐの つかいかたを おぼえる ことも 大事な 学習です。
いちばん よく つかう 道ぐです。ポイントは 「紙を 動かす」 こと。はさみの ほうを ぐるぐる 動かそうと すると、うまく 切れません。はさみは 開いて 閉じる だけ、紙の ほうを 回す。これを 知って いるかで、切りやすさが まったく ちがいます。
人に わたす ときは、持ち手の ほうを 相手に むける。歩く ときは 刃を 閉じて、下に むけて 持ちます。
のりは はしまで ぬる のが コツです。まん中だけ ぬると、はしから めくれて きます。
ボンドは 出しすぎに 注いです。多いほど 強く くっつく わけでは ありません。かえって かわくのに 時間が かかります。
カッター、きり、はりがね ── これらは 1年生には まだ 早い 道ぐです。穴を あける、かたい ものを 切る ときは 大人が やる。ここは はっきり 分けます。
ただし、「これは 大人が やる ことだ」と 知る こと じたい も 学習です。何でも 自分で やろうと せず、必要な ときは 助けを もとめる ── これは 生活科 全体の ねらいでも あります。
1回 うまく いかないと やめて しまう 子が います。
「1回で できる ほうが めずらしい」 と 伝えます。そして、少しでも よく なった ところを 見つけて 言います。「さっきより 長く 回ってるよ」。できるように なって いる 実感 が あれば つづきます。
きれいに 作らせようと して、大人が ほとんど 作って しまう。
できあがりは 立派でも、子どもは 何も 学んで いません。危ない ところ(カッター、きり)だけ 手を かす のが ちょうど よい きょりです。
作りたい ものが あるのに ざいりょうが ない。
ふだんから 空き箱・パック・しんを ためて おく と 助かります。1つの 箱に まとめて おくだけで、子どもは 自分で 選んで 作りはじめます。
Q1 牛にゅうパックで こまを 作りましょう。よく 回る ように するには?
A じくが まん中 に あり、まわりの 重さが そろって いる と よく 回ります。かたよって いると すぐ 止まります。
Q2 わゴムで 動く おもちゃを 作りましょう。ゴムは 何を して いますか。
A のばした ときに 力を ためて、もどる ときに その 力を 出して います。
Q3 うまく いかなかった ところと、どう 直したかを 話して みましょう。
A 説明できたら すばらしいです。直した 過ていを 言える ことが、この 単元の ゴール です。
この単元でご家庭にお願いしたいのは、材料をためておくことだけです。牛乳パック、ペットボトル、紙コップ、トイレットペーパーの芯。段ボール1箱ぶんあれば十分です。
そして、お子さんが作ったものがうまく動かないとき、すぐに直してあげないでください。「どうしてかな?」と一緒に考える時間が、この単元でいちばん価値のある時間です。
できあがりの見た目は気にしなくて構いません。「ここ、こうしたらよく回るようになった」と説明できるなら、それは十分に学んでいます。作品ではなく、過程を褒めてあげてください。