1年 生活 あさがおをそだてる

あさがおをそだてる ── 毎日見ることが「観察」になる

たった 1つぶの たねが、4か月で 何十この たねに なります。その あいだ ずっと 見つづける ── それが この 単元の すべてです。

なぜ あさがおなのか

日本中の ほとんどの 小学校で、1年生は あさがおを 育てます。これには ちゃんと 理由が あります。

とくに 「毎日 変わる」 ことが 大事です。1年生が 続けて 見るには、変化が ないと あきて しまいます。あさがおは 毎日 何かしら 変わって いるので、見る たびに 発見が あります。

育つ じゅんばん

時きようす気づかせたい こと
5月ごろたねまきたねの 形・色・大きさ。かたい こと
1週間ごふたばが 出る2まい 出る。形が ハートに にて いる
2〜3週間本ばが 出るふたばと 形が ちがう! ざらざらして いる
6月ごろつるが のびるまきついて 上へ のぼる。ささえが 必要
7月ごろつぼみ → 花朝 さいて、昼には しぼむ
8〜9月実 → たね花の あとに 実。中に たねが 入って いる

いちばん 感動が 大きいのは ふたばが 出る 日はじめて 花が さいた 日 です。この 2つは、できれば 見のがさせたく ありません。

そして さいごの たねを とる ところが、この 単元の しめくくりです。1つぶ まいた たねが、何十こに なって 返って くる。命が つながって いく ことを、頭では なく 手で 実感する 場めんです。

ふたばと 本ばの ちがい

この 単元で いちばん 大事な 気づきが これです。さいしょに 出る はっぱと、あとから 出る はっぱは 形が ちがう

ふたば(さいしょ) 本ば(あとから) ハートの 形 ぎざぎざの 形 つるつる ざらざら 2まいだけ どんどん ふえる

多くの 子は「はっぱ」と ひとくくりに 見て しまい、ちがいに 気づきません。だから 「さいしょの はっぱと、いまの はっぱ、同じ?」 と 聞いて あげます。

じっさいに さわらせると、さらに よく 分かります。ふたばは つるつる、本ばは ざらざらして 毛が はえて います。目だけで なく 手で たしかめる ── これが 観察の きほんです。

この ちがいは、5年生の 理科「植物の 発芽と 成長」で もう いちど 出て きます。ふたばには 養分が たくわえられて いる、という 話です。1年生では そこまで 教えませんが、「ちがう」と 気づいた 経けん が、5年生での 理かいを ささえます。

観察カードの 書きかた

この 単元では、観察カードを 何まいも 書きます。ここで つまずく 子が とても 多いので、書きかたを 整理します。

  1. 日づけを 書く いつの ようすか 分かるように
  2. 絵を かく 見た とおりに。うまく なくて よい
  3. 数を 書く はっぱは 何まい? つぼみは いくつ?
  4. 大きさを くらべる 手より 大きい? ゆびの 何本分?
  5. 気づいた ことを 1つ 書く 「きのうより のびた」など

ポイントは ③数を 書く ことです。「大きく なった」だけでは あいまいですが、「はっぱが 4まいから 7まいに ふえた」なら はっきりします。数で 表すと、変化が 見える ── これは 算数とも つながる 考えかたです。

くらべる ものを おく

写真を とる とき、となりに ものさしや 手を いっしょに 写す と 大きさが 分かります。
絵に かく ときも、自分の 手を いっしょに かくと「手より 大きく なった」と くらべられます。くらべる 相手が あると、変化が 分かる のです。

世話を する ── 水やりの コツ

あさがおの 世話は、ほとんど 水やりです。でも ここにも 学びが あります。

とくに 「土を 見て きめる」 のが 大事です。マニュアル どおりに やるのでは なく、見て 考えて 決める。これが 生活科の 大きな ねらいの ひとつです。

また、夏休みは 家に 持ち帰ります。1年生に とって「自分が 世話を しないと かれて しまう」という 責任は、とても 大きな 経けんです。かれさせて しまう 子も いますが、それも 学び です。しかる ことでは ありません。

つるは なぜ まきつくのか

6月ごろ、あさがおは つるを のばしはじめます。ここで 子どもが おどろくのが、つるが ぼうに まきついて 上へ のぼって いく ことです。

「だれも まいて いないのに、どうして まきつくの?」── いい しつもんです。

あさがおは じぶんの 力だけでは 立てません。くきが 細くて やわらかいからです。そこで、まわりの ものに まきついて 体を ささえ、上へ のぼって いきます。

なぜ 上へ 行きたいのか。日光が ほしい からです。下に いると、ほかの 草の かげに なって しまいます。上へ 行けば 日が よく あたり、たくさん 育つ ことが できます。

つるが まきつく → 上に のぼれる → 日光が よく あたる → たくさん 育つ → 花が さく

おもしろい ことに、まきつく 向きは いつも 同じ です。あさがおは 上から 見て 左まわり(反時計まわり)に まきつきます。よく 見て みて ください。どの つるも 同じ 向きです。

1年生に むずかしい 説明は いりません。でも 「上に 行きたいんだね」「日が あたる ほうが いいんだね」 と 声を かけるだけで、植物にも 都合が ある、と 気づく きっかけに なります。

つまずきやすい ところ

その1 観察カードに「大きくなった」しか 書けない

いちばん 多い なやみです。「どこが?」「どれくらい?」 と 聞いて あげます。
「つるが のびた」→「どれくらい?」→「ぼくの せより 高く なった」。具体的に なると、書ける ことが 一気に ふえます。

その2 絵が うまく かけないと 言う

観察カードは 絵の うまさを 見る ものでは ありません。「よく 見て かいた か」 が すべてです。
はっぱの ぎざぎざが かいて あれば、それは よく 見て いる しょうこです。「ぎざぎざ、ちゃんと 見て かいたね」と、見た ことを ほめます。

その3 あきて しまう

2か月も つづくので、とちゅうで あきる 子が います。
そんな ときは 変化が 大きい ときに 声を かける。「つぼみが できてるよ」「今日 さいたよ」。イベントが あると 気もちが もどります。
また、数を 記ろくする のも 有こうです。「今日で はっぱ 12まい」と 数えるだけで、目てきが できます。

やって みよう

Q1 ふたばと 本ばの ちがいを 2つ 言えますか。

A 形(ハート型 と ぎざぎざ)、さわりごこち(つるつる と ざらざら)、まい数(2まい と たくさん)など。

Q2 あさがおの 花は いつ さいて、いつ しぼみますか。

A 朝 さいて、昼ごろには しぼみます。だから「あさがお」という 名まえです。

Q3 1つぶの たねから、いくつの たねが とれましたか。数えて みましょう。

A 数十こに なる ことが 多いです。数えて みると おどろきます。

まとめ

おうちの方へ

夏休みに持ち帰る鉢は、正直なところ場所を取りますし、水やりも大変です。しかしこの期間が、この単元で最も学びの大きいところでもあります。
おすすめは、水やりの時間を決めて生活の一部にすることです。「朝ごはんの前」など、既にある習慣にくっつけると続きます。
また、枯らしてしまっても叱らないであげてください。「水がないとどうなるか」を体験したことも学びです。むしろ「どうすればよかったかな」と一緒に考えるほうが、次につながります。
種が取れたら、ぜひ数えてみてください。1粒が何十粒になる驚きは、理科の学習の原体験になります。