1年 生活 むかしからの あそび

むかしからの あそび ── 「教えて」と 言えると、うまく なる

この 単元の ゴールは、こまを 回せる ように なる ことでは ありません。できない ときに、上手な 人に 「教えて」と 言える ように なる ことです。

むかしの あそびは、道ぐが とても 少ない

学校で ならう むかしの あそびを ならべて みます。

あそびいる もの体の どこを つかう?
こまこま、ひもうでの ふり、手首
けん玉けん玉 ひとつひざ(うででは ない)
お手玉お手玉 2〜3こ手のひら、目の うごき
あやとりひも 1本ゆびさき
かるたふだ耳と 手
おはじきおはじきゆびの 力かげん
竹とんぼ竹とんぼ両手の こすり合わせ

気づいて ほしい ことが あります。電池も、画面も、スイッチも 出て きません。ひも 1本で 何十しゅるいもの 形が 作れる。それが あやとりです。

そして、道ぐが 少ない ぶん、うまく いくか どうかは ぜんぶ 体の うごきで 決まります。ボタンを おせば 動く おもちゃとは、ここが ちがいます。だから 何回も やる ことに 意味が 生まれます。

なぜ 今の 学校で、わざわざ むかしの あそびを するのか

「もっと 新しい あそびで いいのに」と 思うかも しれません。この 単元が 今も 残って いる 理由は 三つ あります。

とくに 二つめが 大事です。生活科は「人と かかわる」ことを ならう 教科です。むかしの あそびは、教えて くれる 人が いて はじめて 完成します。本を 読んで 一人で 身に つける ものでは ありません。

「教わりかた」を ならう 時間

この 単元では、地いきの 方や おじいさん・おばあさんが 学校に 来て くれる ことが あります。ここで 何を 言えば いいか、先に 練習して おくと ちがいます。

ばめん言う ことば
はじめに「よろしく おねがいします」
やって もらう とき「1回 やって 見せて ください」
できない とき「どこが ちがいますか」
コツを 聞く とき「どこを 見て いますか」
おわりに「教えて くれて ありがとう ございました」

「どこが ちがいますか」は とても つよい 質もんです。ただ「できません」と 言うより、自分の どこを 直せば いいかが 返って きます。

もう ひとつ、「どこを 見て いますか」 も おすすめです。上手な 人は、あんがい 手を 見て いません。けん玉なら 玉の うごき、お手玉なら 空中の 一点。見る ところが ちがう だけで うまく いく ことが よく あります。

あそびごとの コツ

ここに 書く コツは、大人が 先に 知って おくと 声を かけやすく なる ものです。

こま

回らない 子の ほとんどは、ひもの 巻きかた で つまずいて います。ひもは すきまなく、きつく 巻きます。ゆるいと、投げた ときに ひもだけ 先に ぬけて しまいます。
投げる ときは 力いっぱい では なく、まっすぐ 前に、ひもを 引きもどす ように します。

けん玉

うでで 持ち上げようと すると、まず 入りません。ひざを まげて、のばす。玉は うででは なく、体ぜんたいで 上げます。
玉が 回って しまう ときは、ひざの のばしかたが 左右に ぶれて います。

お手玉

2こでも むずかしいのは、2こ目を 投げる タイミング です。1こ目が いちばん 高い ところに 来た ときに、2こ目を 投げます。
手を 見ないで、空中の 高さを 見る。これが できると 急に つづく ように なります。

あやとり

ゆびが ひっかかって うまく いかない ときは、ひもが 長すぎる ことが 多いです。両手を 広げた ときに 少し たるむ くらいが ちょうど よい 長さです。

かるた

手が 出るのが おそい 子は、ふだ ぜんぶを 見よう と して います。自分の 前の 何まいかに しぼって おぼえると、とれる ように なります。

お正月と つながって いる

むかしの あそびは、季せつの 行事と セット で のこって きました。

なぜ お正月に あそびが 多いのか。むかしは、その 時きだけ 田や 畑の 仕事が 休みだったからです。家ぞくが そろって いる 時に する ものだった ── そう 考えると、たこあげや かるたが 今も お正月に のこって いる 理由が 見えて きます。

おうちの 人に「お正月に 何を して あそんだ?」と 聞いて みると、地いきに よって 答えが ちがいます。この ちがいを 見つける ことも 学習に なります。

数を 数えると、算数に つながる

この 単元は、記ろくを つける と ぐんと おもしろく なります。

けん玉「大ざら」の れんしゅう 1日目 10回 やって  2回 入った 2日目 10回 やって  3回 入った 3日目 10回 やって  5回 入った ↑ ふえて いる!

1年生の 算数では、ちょうど 数の かぞえかたを ならって います。入った 回数を 書いて おく だけで、うまく なって いる ことが 自分で 分かります。

ここが 大事な ところです。1回 2回 では、うまく なって いるか どうか だれにも 分かりません。紙に 数が ならんで はじめて、のびて いる ことが 見えます。「今日は 入らなかった」で 終わらずに すみます。

つまずきやすい ところ

その1 できないと はずかしがって、やめて しまう

友だちが できて いると、できない 自分を 見られたく なくて はなれて しまう 子が います。
「その あそびは、大人でも 練習して できる ように なった もの」 だと 伝えて ください。今 上手に 回して いる 子も、家で 何回も 落として います。できない 時間が あるのが ふつう だと 分かるだけで、もどって こられます。

その2 一人で なんとかしようと する

まじめな 子ほど、だまって 何回も くりかえします。うまく いかない やりかたを 100回 くりかえしても、うまくは なりません。
この 単元は 人に 聞いて いい 単元 です。「上手な 子に、どうやるのか 聞いて おいで」と 送り出して ください。聞きに 行けた ことを、ちゃんと ほめます。

その3 勝ち負けだけに なって しまう

かるたや おはじきは、勝ち負けが つきます。まけて 泣いて しまう、勝った ことだけを じまんする ── どちらも よく ある すがたです。
大人は 「どこが うまく なった?」に 話を もどす と よいです。勝った 子には「どうして とれたの?」、まけた 子には「さっきより 何まい ふえた?」。相手では なく、前の 自分と くらべる ように します。

やって みよう

Q1 けん玉の 玉を 上げる とき、いちばん つかう ところは どこですか。

A ひざ です。うでで 引き上げようと すると、玉が ぶれて 入りません。

Q2 こまの ひもが すぐ ぬけて しまいます。どこを 直しますか。

A ひもの 巻きかた です。すきまが あかない ように、きつく 巻きなおします。

Q3 できない とき、上手な 人に 何と 聞くと よいですか。

A 「どこが ちがいますか」「どこを 見て いますか」。直す ところが はっきり します。

Q4 おうちの 人に、子どもの ころ 何を して あそんだか 聞いて みましょう。

A 聞けたら 花まるです。今の 自分の あそびと ちがう ところ を 1つ 見つけられたら、もっと よいです。

まとめ

おうちの方へ

この単元でご家庭にお願いしたいことは2つだけです。1つは、けん玉かお手玉、あやとりのひもなど、道具を1つだけ家に置いていただくこと。数百円のもので構いません。触れる回数が増えるほど上達し、上達すると本人が勝手に続けます。
もう1つは、ご自身が子どものころに何をして遊んでいたかを話してあげてください。この単元は「昔の遊びを覚える」ことより、「上の世代とつながる」ことをねらっています。うまくできなくても構いません。むしろ、大人が失敗して見せるほうが、お子さんは安心して挑戦します。
そして、回数を数えてあげてください。「3回入ったね」と言われた子は、次の日も自分から練習を始めます。