1年 生活 じぶんでできるよ

じぶんでできるよ ── 手伝わないことが、いちばんの手伝い

やって あげた ほうが 早いし きれいです。でも それでは いつまでも できるように なりません

1年生に 求められる「自分で」

小学校に 入ると、それまでと 大きく 変わる ことが あります。大人が 手を かけて くれる 量が 一気に へる ことです。

ようちえん・ほいくえんでは、先生が こまかく 見て くれて いました。でも 小学校では、先生 1人に 子ども 30人。自分の ことは 自分で やる のが 前ていに なります。

場めん自分で やる こと
時間わりを 見て、教科書と ノートを そろえる
学校に ついたらランドセルを ロッカーへ、宿だいを 出す
じゅぎょう前つぎの 教科の じゅんびを する
きゅうしょくはいぜん、かたづけ、はみがき
そうじぶんたんされた 場しょを そうじする
帰る 前持ち帰る ものを 入れる、明日の れんらくを 書く

これだけの ことを、1日の 中で 自分で 回す。1年生に とっては かなり 大きな 変化です。できなくて 当たり前 の ところから 始まります。

いちばん つまずくのは「じゅんび」

この 中で いちばん むずかしいのが 次の日の じゅんび です。

なぜ むずかしいか。今 目の 前に ない ことを 考えないと いけない からです。「明日は 3時間目に 図工が ある。だから のりと はさみが いる」── これは かなり 高度な 思考です。

1年生は 今 この しゅんかんを 生きて います。明日の ことを 想ぞうして 行動するのは、まだ 育ちきって いない 力です。

だから 手だすけが 必要ですが、やって あげる のでは なく、やりかたを 教える のが ポイントです。

  1. 時間わりを 声に 出して 読む 「明日は こくご、さんすう、ずこう…」
  2. 教科ごとに 何が いるか 言う 「ずこうは のりと はさみ」
  3. 1つずつ ランドセルに 入れる 入れたら 声に 出す
  4. さいごに もう いちど 時間わりを 見る ぬけが ないか かくにん

この 手じゅんを 何回も くりかえすと、そのうち 自分で できるように なります。大事なのは 手じゅんを 決めて おく ことです。

わすれものを したら

わすれものは 必ず します。ここで どう するかが 分かれ目です。

すぐ 学校に とどけない ── これが 大事です。とどけて もらえると 分かって いると、じゅんびを 真けんに しなく なります。

わすれて こまった、という 経けんが、次の じゅんびに つながります。こまる 経けんは、成長の チャンス です。

ただし、これには 条けんが あります。こまった とき、自分で 何とか する 方ほうを 知って いる ことです。

これが できれば、わすれものは 大した 問題では ありません。むしろ 人に 助けを もとめる 力 が つきます。

「わすれました」が 言えるように

いちばん こまるのは、わすれた ことを だまって いる ことです。じゅぎょうに 参加できず、1時間 何も できなく なります。
「わすれた ときは 必ず 先生に 言う」 と 約そくして おきます。しかられる ことを おそれて 言えない 子には、「言えたら えらい」 と 伝えて おきます。

整理整とんの コツ

机の 中が ぐちゃぐちゃ、ランドセルから プリントが 出て こない ── よく ある ことです。

整理が できない 子は、だらしないのでは ありません。置き場しょが 決まって いない だけの ことが 多いです。

問題やり方
プリントが なくなるクリアファイルを 1まい 決めて、そこにだけ 入れる
机の 中が ぐちゃぐちゃ右は 教科書、左は 道ぐ、と 場しょを 決める
えんぴつが 見つからないふでばこの 中の 数を 決める(えんぴつ5本、消しゴム1こ)
ぼうしや 上ばきを なくすぜんぶに 名まえを 書く

コツは 「場しょを 決める」「数を 決める」 の 2つです。決まって いれば、そこに もどすだけ。決まって いないから 迷子に なるのです。

そして 1日1回、かたづける 時間を 決める と つづきます。「帰ったら ランドセルの 中を 出す」。これを 毎日 同じ タイミングで やります。

できたら 見える ように する

1年生の やる気を 支えるのは、できた ことが 見える ことです。

チェック表を 作って、できたら ○を つける。シールを はる。単じゅんですが、これが よく 効きます。

┌────────────────┐ │ じぶんで できたよ ひょう │ ├────┬───┬───┬───┤ │ │ 月 │ 火 │ 水 │ │じゅんび│ ○ │ ○ │ │ │かたづけ│ ○ │ │ │ │はみがき│ ○ │ ○ │ │ └────┴───┴───┴───┘

ポイントは できなかった 日を せめない ことです。○が つかない 日が あっても、それは それ。できた 日の ○を 数える ほうに 目を むけます。

そして 1か月 たったら、ふりかえります。「先月は ○が 10こ、今月は 18こ。ふえたね」。前の 自分と くらべる と、必ず 成長が 見つかります。

時計と 行動を むすびつける

自分で できる ように なる ために、じつは 時こくが 読める ことが 大きく はたらきます。

「早く しなさい」と 言われても、子どもには どれくらい 急げば いいのか 分かりません。でも 「7時20分に 家を 出るよ」 と 言われ、時計が 読めれば、あと どれくらいか 自分で 分かります。

「早く して」 → どれくらい 早く? 分からない 「7時20分に 出る」→ いま 7時5分。あと 15分!

算数の「とけい」の 単元と、この 生活科の 単元は、じつは 深く つながって います。時こくが 読めると、自分で 動ける ように なる のです。

おすすめは、1日の 流れに 時こくを つける ことです。

紙に 書いて はって おくと、子どもが 自分で 時計を 見に 行くように なります。言われて 動く から 自分で 動く への 大きな 一歩です。

さいしょは 予定どおりに いきません。それで かまいません。「いま 何時? つぎは 何を する 時間?」 と 聞くだけで、自分で 考える きっかけに なります。

つまずきやすい ところ

その1 大人が 待てない

いちばん 多い 問題は、じつは 子どもでは なく 大人の 側に あります。時間が かかるので、つい やって しまう
朝 いそがしい ときは しかたが ありません。でも 休みの 日など、時間に よゆうが ある ときは 待つ。1週間に 2回でも、自分で やる 日が あれば ちがいます。

その2 やり方が 分からない まま「自分で やりなさい」

「自分で やりなさい」と 言うだけでは、できるように なりません。やり方を 教えて から 任せる
順ばんは「見せる → いっしょに やる → 見守る → 任せる」。いきなり 4だんかい目に とばさない ことです。

その3 完ぺきを 求める

子どもが たたんだ 服は よれよれ、入れた ランドセルは ぐちゃぐちゃ。つい 直したく なります。
でも その場で 直すと、やる気が 消えます。「自分で やっても どうせ 直される」と 学んで しまうからです。
気に なる ところは、見て いない ところで 直します。

やって みよう

Q1 明日の じゅんびを 自分で して みましょう。時間わりを 見ながら。

A 入れた ものを 声に 出しながら 入れると、ぬけが へります。

Q2 わすれものを した とき、なんと 言いますか。

A 「わすれました」と 先生に 言う。「かして ください」と 友だちに たのむ。だまって いるのが いちばん こまります。

Q3 ふでばこの 中に、何が いくつ 入って いれば よいか 言えますか。

A えんぴつ5本、赤えんぴつ1本、消しゴム1こ、ものさし1本 など。数が 決まって いると 足りないと すぐ 気づけます

まとめ

おうちの方へ

朝の忙しい時間に、子どもが自分で準備するのを待つのは正直しんどいものです。「やってあげたほうが早い」──その通りです。
ですので、毎日完璧を目指す必要はありません。平日は手伝ってもいい。その代わり、週末や時間に余裕のある日は待つ。それだけでも十分に効果があります。
また、忘れ物をしたときにすぐ届けるかどうかは、ご家庭の判断でよいと思います。ただ、届けない場合は「困ったときにどうするか」を事前に教えておいてください。「先生に言う」「友達に借りる」が言えれば、忘れ物は学びの機会になります。