1年 算数 かたちあそび

かたちあそび ──「ころがる・つめる」で形を見分ける

「これは 直方体です」と おぼえる たんげんでは ありません。さわって、動かして、はたらきで 分ける ── それが ねらいです。

4つの なかまに 分ける

身の まわりの 箱や つつを あつめて、なかま分けを します。だいたい つぎの 4つに 分かれます。

なかま身の まわりの れい2年生いこうの 名まえ
はこの かたちおかしの 箱、ティッシュの 箱直方体・立方体
つつの かたちラップの しん、かんジュース円柱
ボールの かたちボール、ビー玉
さんかくの かたちおにぎりの 形の 箱、パーティー帽三角柱・円すい

1年生では むずかしい 名まえは つかいません。「はこの かたち」「つつの かたち」「ボールの かたち」で じゅうぶんです。名まえを おぼえる ことより、なぜ その なかまに 入れたのかを 言える ことが 大事です。

見分けかた① ── ころがる? ころがらない?

形を さわって、じっさいに ころがして みる。これが いちばん わかりやすい 見分けかたです。

かたちころがる?ようす
はこころがらない平らな 面ばかりで、カクカク して いる
つつむきに よるよこに すると ころがる。たてに すると ころがらない
ボールどこへでも ころがるまるい 面だけで できて いる

ここで いちばん おもしろいのが つつ です。よこに たおすと よく ころがるのに、たてに 立てると まったく ころがりません。

「どうして?」と 聞いて みて ください。よく 見ると、つつには 平らな 面(上と下)まるい 面(よこ) の 両方が あります。平らな 面を 下に すれば 止まり、まるい 面を 下に すれば ころがる。

この「同じ ものでも 向きで ちがう」という 気づきは、とても ねうちが あります。形を 一つの 見た目で 決めつけず、いろいろな 向きから 見る ── これは 4年生の 立体、5年生の 見取図に つながる 力です。

見分けかた② ── つめる? つめない?

もう 一つの 見分けかたが「つみ上げられるか」です。

なぜ はこは つみやすいのでしょうか。平らな 面が あるから です。平らな 面と 平らな 面は、ぴったり くっついて ずれません。

これは 生活の 中でも 役に立つ 知しきです。にもつを つむ とき、はこの 形の ものを 下に して、ころがる ものは 上に 置く。ダンボール箱が 四角い のには、ちゃんと 理由が あるのです。

身の まわりで さがして みよう

「どうして ジュースの かんは つつの 形なの?」「どうして ティッシュの 箱は 四角いの?」── こういう しつもんを して みて ください。
答えは 一つでは ありません。「持ちやすいから」「ならべやすいから」「作りやすいから」。理由を 考える こと じたい が、この たんげんの いちばんの ねらいです。

うつしとり ── 立体から 平面へ

この たんげんの もう 一つの 大事な 活動が、形を かみに うつしとる ことです。箱の 面を かみに あてて、まわりを えんぴつで なぞります。

はこ の 面を うつすと → □ 四角 つつ の 上下を うつすと → ○ まる つつ の よこは うつせない(まるいので ぴったり つかない)

ここで 気づいて ほしいのは、立体(3D)から 平面(2D)が 出て くる ことです。箱という 立体を うつすと、四角という 平らな 形が 出て きます。

この 活動が、2年生の「三角形と四角形」に まっすぐ つながります。2年生では 平面の 形を くわしく ならいますが、その 形が どこから 来たのかを、1年生の うちに 体で 知って おく わけです。

いろいろな 面を うつして みると、同じ 箱でも 面に よって ちがう 大きさの 四角 が 出て くる ことにも 気づきます。ティッシュの 箱なら、上の 面は 細長い 四角、よこの 面は べつの 形。一つの 立体に、いくつもの 面が ある ── これも 大きな 発見です。

つみ木で 形を つくる

あつめた 箱や つつを つかって、何かを 作る 活動も します。ロボット、車、お城 ── 何でも かまいません。

ここで 大事なのは、形の とくちょうを つかって 作って いるか です。

作りおわった あとに「どうして ここに これを つかったの?」と 聞いて みて ください。理由を 言えたら、その 子は 形の はたらきを ちゃんと 理かい して います。

さわって 当てる ── かたち あてゲーム

この たんげんで いちばん もり上がる 活動が「かたち あてゲーム」です。ふくろの 中に 形を 入れて、見ないで さわって 当てます。

  1. ふくろに 箱・つつ・ボールなどを 入れる
  2. 目を つぶって、手だけで さわる
  3. 「これは 何の かたち?」と 当てる
  4. 当てたら、どうして 分かったかを 言う

4ばんめが いちばん 大事です。「かどが とがって いたから 箱」「まるくて つるつるだったから ボール」「はしが 平らで まん中が まるかったから つつ」。

目で 見ずに、手ざわりだけで 形の とくちょうを 言葉に する ── これは とても 高度な ことを して います。見た目の 印しょうに たよれない ので、面の 数、かどの あるなし、まるみ といった 形の 本しつ に 目を むける しか ないからです。

おうちでも かんたんに できます。ふくろが なければ、タオルを かぶせる だけでも かまいません。当てる 役と 出す 役を 交たいすると、さらに もり上がります。

つまずきやすい ところ

その1 むずかしい 名まえを おぼえさせて しまう

「直方体」「円柱」「球」── これらは 1年生では 出て きません。先に 名まえを 教えると、名まえを おぼえる 勉強に なって しまい、さわって 気づく 体けんが 消えます
「はこの かたち」「つつの かたち」で じゅうぶんです。名まえは あとから ついて きます。

その2 見た目だけで 分けて しまう

色や 大きさで 分けて しまう 子が います。「赤い なかま」「大きい なかま」。これは まちがいでは ありませんが、この たんげんの ねらいとは ちがいます。
「ころがる?」「つめる?」で 分けて みよう と、はたらきに 目を むけさせます。

その3 立体と 平面が ごちゃまぜに なる

「まる」と 言った とき、ボール(立体)の ことか、うつしとった まる(平面)の ことか わからなく なる。
ここは 言いかたを 分ける と よいです。立体は「ボールの かたち」、平面は「まる」。うつしとる 活動の とき、この ちがいを はっきり させて おきます。

やって みよう

Q1 家の 中から「つつの かたち」の ものを 3つ さがしましょう。

A トイレットペーパーの しん、かんジュース、ペットボトルの 一部、つつ入りの おかし など。

Q2 つつを たてに 置くと ころがりません。どうしてでしょう。

A 上と下に 平らな 面 が あるから。そこを 下に すると 止まります。

Q3 ティッシュの 箱を かみに うつすと、どんな 形が 出て きますか。

A 四角。面に よって 大きさの ちがう 四角が 出て きます。ぜんぶで 6つの 面が あります。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、プリントでは身につきません。実物を触って、転がして、積んでみることが学習そのものです。
お願いしたいのは、空き箱や芯を捨てずに取っておくことです。ティッシュ箱、お菓子の箱、ラップの芯、缶、ペットボトル。段ボール1箱ぶんもあれば十分な教材になります。
また、この時期に「直方体」「円柱」などの用語を先取りで教えるのはおすすめしません。名前を知っていることと、形の性質がわかっていることは別です。むしろ「これはなんで転がるんだろうね」と一緒に不思議がるほうが、ずっと深い理解につながります。