おなじ「3」でも、いみが まったく ちがいます。ここが わかると、ぶんしょうだいの 読みかたが かわります。
じゅんばんに ならんだ 子どもたちを 見て みましょう。
「まえから 3人」と 言われたら、1番目・2番目・3番目の 3人ぜんぶ です。人数は 3人。
「まえから 3番目」と 言われたら、3番目の 1人だけ です。人数は 1人。
おなじ「3」でも、こんなに ちがいます。前者を 集合数(しゅうごうすう)、後者を 順序数(じゅんじょすう) と いいます。1年生に この ことばを おぼえさせる ひつようは ありませんが、大人が この ちがいを わかって いると、教えかたが かわります。
日本語には、とても わかりやすい しるしが あります。「め」が つくか どうか です。
| ことば | いみ | 人数 |
|---|---|---|
| 3人 | 3人 ぜんぶ | 3人 |
| 3番目 | 3番目の 1人 | 1人 |
| 5こ | 5こ ぜんぶ | 5こ |
| 5番目 | 5番目の 1こ | 1こ |
ぶんしょうだいを 読む とき、「め」を さがして ○を つける ように すると まちがえません。「め」が あれば 1つだけ、なければ その 数ぜんぶ です。
もう ひとつ だいじなのが、どちらから 数えるか です。おなじ 人でも、まえから 数えるか うしろから 数えるかで 番号が かわります。
おなじ 人なのに、まえからだと 3番目、うしろからだと 4番目。ここで こんらんする 子が とても おおいです。
コツは、まず「どちらから」に 線を 引く こと。ぶんしょうを 読んだら、いちばん 先に「まえから」なのか「うしろから」なのかを たしかめます。それから 数えます。
この たんげんは、頭の 中だけで やろうと すると かならず まちがえます。○を ならべて かいて、まえと うしろに やじるしを 書く。これを めんどうがらずに やる 子は、ぜったいに まちがえません。1年生の うちに「図を かく」くせを つけると、これから ずっと 役に立ちます。
この たんげんの さいごに、すこし むずかしい もんだいが 出て きます。
たろうさんは まえから 3番目、うしろから 4番目に います。ぜんぶで 何人 ならんで いますか。
3+4=7 と したく なりますが、これは まちがい です。図を かいて たしかめましょう。
まえから 3番目まで 数えて、うしろから 4番目まで 数えると、たろうさん本人を 2回 数えて しまいます。だから 1を ひきます。
この「かさなって いる ぶんを ひく」という かんがえかたは、じつは 6年生の「場合の数」や、中学の 数学でも つかいます。1年生で であう、とても 大事な かんがえかたです。
じゅんじょを あらわす 言いかたは、生活の あちこちに あります。あらためて 見て みると、思って いたより たくさん つかって います。
とくに 本だなや たなの 場しょ を 言うれんしゅうは、とても よい きかいに なります。「上から 2だんめの、左から 3さつめの 本を 取って」と おねがいすると、たてと よこの 両方の じゅんじょを 同時に つかう ことに なります。これは 4年生の「位置の あらわしかた」に つながる 力です。
また、かけっこや ゲームの じゅんいも よい きょうざいです。「1番、2番、3番…」と いう じゅんいは、まさに 順序数です。「3位の 人は 1人」「上位3人は 3人」── ここでも「め」の ある なしと おなじ 区べつが 出て きます。
「3びきの こぶた」「さいごに 出て きたのは だれ?」「2番目の こぶたの 家は 何で できて いた?」── お話を 読んだ あとに こういう しつもんを すると、じゅんじょを 意しきする れんしゅうに なります。お話の じゅんばんを 思い出す 力は、国語の 読みとりにも つながります。
いちばん おおい まちがいです。「まえから 3人に 色を ぬりましょう」で 3番目の 1つだけ ぬる、または ぎゃく。「め」が あるか ないかを 声に 出して たしかめる くせを つけましょう。
「うしろから 2番目」なのに まえから 数えて しまう。ぶんしょうを 読んだら、「まえから」「うしろから」に 線を 引く。これだけで ふせげます。
たてに ならんで いる ときは「上から」「下から」に なります。よこの ときは「右から」「左から」。左右が まだ あやしい 子 は、ここで つまずきます。
その ばあいは、まず 左右を おぼえる ことが 先です。「おはしを 持つ ほうが 右」など、体で おぼえられる 目じるしを 決めて おくと よいです。
Q1 ○を 6こ よこに かいて、まえから 4番目に 色を ぬりましょう。
A 4番目の 1つだけ。「め」が ついて いるので 1つです。
Q2 ○を 6こ かいて、うしろから 2こに 色を ぬりましょう。
A うしろの 2つ(=まえから 5番目と6番目)。「め」が ないので 2つです。
Q3 はなこさんは まえから 2番目、うしろから 5番目です。ぜんぶで 何人?
A 2+5-1=6人。はなこさんを 2回 数えて いるので 1を ひきます。
Q3が できたら すばらしいです。図を かいて たしかめる くせが ついて いる しょうこです。
Q4 ○を 7こ かいて、「まえから 3こ」と「まえから 3番目」の ちがいを 図で しめして みましょう。
A 「まえから 3こ」は 左の 3つに 色を ぬる。「まえから 3番目」は 左から 3つめの 1つだけに 色を ぬる。
自分で 図に できたら、この たんげんは かんぜんに わかって います。人に せつめいできる じょうたいが、いちばん 強いです。
もし まちがえても、それは わるい ことでは ありません。「まえから 3こ」と「まえから 3番目」を まちがえる のは、日本語の むずかしさ そのもの です。何度も 図を かいて たしかめて いく うちに、かならず 見わけられる ように なります。
この単元は、計算力ではなく日本語の読解力が問われます。「3人」と「3番目」の区別は、算数の問題であると同時に国語の問題でもあります。
家庭では、日常会話の中で意識的に使い分けてみてください。「前から3番目に並んでいるのは誰かな」「前の3人はもう出発したよ」のように。会話で聞き慣れていると、文章題を読んだときに自然に区別できます。
また「まえから3番目、うしろから4番目、全部で何人?」というタイプは、1年生には難問です。できなくても心配いりませんが、図を描いて一緒に数えると、多くの子が「あ、2回数えてる」と自分で気づきます。この気づきの体験そのものが大事です。