「かたちあそび」が 立体(はこ・つつ・ボール)の 学しゅうだったのに たいして、「かたちづくり」は 平らな 形 の 学しゅうです。色板を ならべて、形を くっつけたり 分けたり します。
教科書に よって ならぶ じゅんばんは ちがいますが、つかう どうぐは だいたい つぎの 3つです。
| どうぐ | どんな もの | 身に つく 見かた |
|---|---|---|
| 色板(いろいた) | 同じ 大きさの 直角二等辺三角形の 板。たいてい 赤や 青 | 形を すきまなく しきつめる |
| かぞえぼう | 同じ 長さの ぼう。おはしでも わりばしでも よい | 形の へん(まわりの 線) に 目を むける |
| 点つなぎ | 紙に ならんだ 点を 線で むすぶ | 形を 自分の 手で 書きうつす |
3つとも やる ことは ちがうのに、ねらいは 同じです。できあがった 形を 見るだけでなく、「なにを いくつ つかって できて いるか」に 気づく こと。ここが この たんげんの ぜんぶです。
色板を 2まい だけ 手わたして、こう 聞いて みて ください。「この 2まいで、どんな 形が できる?」
1年生は たいてい、まず 四角を つくります。三角の 長い へん どうしを ぴったり くっつけると、四角に なるからです。
ところが、くっつける へんを かえると もっと 大きな 三角 に なります。同じ 2まいなのに、出て くる 形が ちがう。ここで たいてい「えっ」と なります。
この おどろきが、じつは とても 大きな 学びです。形は まい数では 決まらない。どの へんを、どの 向きで 合わせたかで 決まる。 2年生の 三角形と 四角形、3年生の 直角三角形、そして 5年生の 面せきの 考えかた(三角形は 四角形の 半分)まで、ぜんぶ この 気づきの つづきです。
色板 4まいに すると、できる 形は 一気に ふえます。大きな 四角、細長い 四角、大きな 三角、ぎざぎざの 形。
ここで 大人が やって しまい がちなのが、「せいかいは これだよ」と 1つに しぼる ことです。この ばめんに せいかいは ありません。ちがう 形が いくつ 見つかるか が たのしい ところです。
おすすめの 聞きかたは、できた 形を ゆびさして「これ、三角 何まい つかった?」です。自分で 数えさせると、見た目の 大きさと まい数が むすびつきます。「大きく 見えるけど 3まい」「小さいけど 4まい」── この ズレに 気づけると、あとの 面せきの 学しゅうが ぐっと らくに なります。
ぼうを ならべて 形を つくる ときは、本数が 手がかりに なります。
| つくる 形 | いる ぼうの 数 | 気づいて ほしい こと |
|---|---|---|
| 三角 | 3本 | いちばん 少ない 本数で できる 形 |
| 四角 | 4本 | 三角より 1本 多い |
| 三角を よこに 2つ | 5本 | 6本では ない。まん中の 1本を 分け合う |
3つめが やま場です。三角 1つが 3本なら、2つで 6本の はずなのに、くっつけると 5本で すむ。となり どうしが 1本を いっしょに つかって いる からです。
この「分け合う」考えかたは、そのまま 4年生の 表や 5年生の 図形の へんの 数えかたに つながります。1年生の うちは、数が 合わない ことに 気づいて、実さいに 数えなおす だけで じゅうぶんです。
紙に ならんだ 点を えらんで むすぶと、形が 出て きます。色板や ぼうと ちがって、手を はなしても 形が のこる のが 点つなぎの 大きな ちがいです。
ならべる だけの ときは、まちがえても そっと 動かせば すみました。でも 書いた 線は 消さないと 直せません。だから 子どもは、線を 引く 前に どこと どこを むすぶかを 決める ように なります。じつは これが、はじめての「見通しを 立てて から 手を うごかす」けいけんに なります。
もう 一つの ねらいは、形の かどが どこに あるかを 自分で えらぶ ことです。色板の ときは、形の かどは 板が きめて くれました。点つなぎでは、たくさん ならんだ 点の 中から 自分で えらばなければ なりません。「三角なら 点は 3つ」「四角なら 4つ」── かどの 数と 点の 数が 同じだと 気づけたら、大きな 一歩です。
うまく いかない ときは、先に 点を 3つ 4つ ○で かこんで から 線を 引かせて ください。どこを むすぶかが 先に 見えて いれば、線は まっすぐに なります。
四角を ななめに かたむけると、1年生の 多くは「ひし形」「べつの 形」と 言います。回して 見せて、「同じ 板 2まいだよ」と たしかめるのが いちばん です。
形は 向きを かえても 同じ ── これは 教えて わかる ことではなく、何回も 回して みて 体で おぼえる ことです。
板を ならべた とき、ほんの 少し すきまが あく 子が います。「ぴったり くっつける」という 感かくは、手の 細かい うごきの れんしゅうでも あります。
下じきに 形の わくを かいて おいて、その中を うめる やりかたに すると、ぴったり 置けるように なります。
点つなぎで、点を きちんと 通らずに 線が ずれる ことが あります。じょうぎは まだ いりません。点に えんぴつを 立てて、そこから 次の 点まで 一気に 引く。この 一つの こつで、だいぶ まっすぐに なります。
どれも きょうつうして いるのは、できた 形を ことばで せつめいする ところまで やる ことです。「三角 2まいで 大きい 三角を 作って、その 上に 小さいのを のせました」── ここまで 言えたら、形が 見えて います。
Q1 同じ 三角の 板 2まいで 四角を 作りました。長い へんと みじかい へん、どちらを くっつけましたか。
A 長い へん。みじかい へん どうしを 合わせると、大きな 三角に なります。
Q2 ぼうで 三角を よこに 2つ ならべて 作ります。ぼうは 何本 いりますか。
A 5本。まん中の 1本を 2つの 三角で 分け合うので、6本は いりません。
Q3 色板 4まいで 作った 形を、ななめに かたむけました。形は かわりましたか。
A かわって いません。向きが かわっただけで、同じ 形です。
色板は買わなくても代用できます。厚紙を正方形に切り、対角線で半分にすれば同じ直角二等辺三角形になります。8枚もあれば十分遊べます。棒のほうは、割りばしや爪楊枝、乾いたパスタでも構いません。
この単元でお願いしたいのは、正解を先に言わないことです。「四角ができたね、ほかには?」と一言たずねるだけで、子どもは自分でもう一つの形を探し始めます。その探している時間そのものが学習です。
もう一つ、傾けた四角を「ひし形だ」と言ったときに、間違いとして訂正しないでください。向きが変わると別物に見える、という感覚は誰にでもあります。板を手に持って、ゆっくり回して見せる。それだけで「あ、同じだ」と自分で気づきます。教えられた正解より、そのときの気づきのほうが長く残ります。