「どう 思った?」の 前に やる ことが あります。できごとを 順ばんに 追える ように なる こと。ここが 読みとりの 出発点です。
物語を 読む 学習には、はっきりした じゅんばんが あります。
大人は つい ④から 聞いて しまいます。「どう 思った?」「かわいそうだったね」。でも ①〜③が できて いない 子に ④を 聞いても、答えようが ありません。
気もちは、できごとの 上に しか 立ちません。 何が おきたか 分かって いない のに、その ときの 気もちだけ 考える ことは できないのです。
まず、出て くる 人(または 動物)を ぜんぶ 書き出します。これだけでも 立派な 読みとりです。
1年生の 教科書に 出て くる 物語は、登場人物が 2〜3人の ものが ほとんどです。「おおきな かぶ」なら おじいさん・おばあさん・まご・いぬ・ねこ・ねずみ。
ここで 大事なのは、「わたし」「ぼく」と 書いて ある 場合、それが だれなのか を つかむ ことです。1年生は ここで こんらんしやすいです。物語の 中の「ぼく」は、読んで いる 自分では ありません。
教科書を 読みながら、人の 名まえに 丸を つける だけで、読みとりの 力は 上がります。だれの 話なのかを 意しきしながら 読む ように なるからです。
「〜が 言いました」の 前を 見る、という 見つけかたも 教えて あげると よいでしょう。
つぎに 場面です。いつ(朝・夜・きのう・むかし) と どこ(森・学校・海) を つかみます。
物語は、場面が かわる ところで 大きく 動きます。「つぎの 日」「森を 出ると」── こういう ことばが 出て きたら、そこで 場面が かわった しるし です。
1年生の 教科書には、たいてい さし絵が ついて います。さし絵は かざりでは ありません。場面を つかむ ための 大事な 手がかり です。「この 絵は どこ?」「いま 何時ごろ?」と 聞くだけで、場面を 意しきする れんしゅうに なります。
ここが 中心です。できごとを 起きた 順に ならべられるかを 見ます。
「おおきな かぶ」で 言えば、こうです。
この 順ばんを 言える ことが、まず 第一です。順ばんが 言えたら、その 物語は 読めて います。
順ばんを 追う ときの キーワードが あります。「それから」「つぎに」「さいごに」「すると」。こういう ことばが 出て きたら、話が 次に 進む しるしです。
ここまで できて はじめて、気もちの 話が できます。しかも 気もちは かってに 想ぞうする ものでは ありません。文しょうの 中に 手がかりが あります。
| 手がかり | れい | 読みとれる 気もち |
|---|---|---|
| したこと(行動) | とびはねた | うれしい |
| 言った ことば | 「やったあ!」 | うれしい |
| 顔や からだ | 下を むいた | かなしい・はずかしい |
| まわりの ようす | 雨が ふりだした | 気もちが しずんで いる |
だから 気もちを 聞く ときは、「どこで そう 思ったの?」 と セットで 聞きます。「うれしいと 思う」だけでなく、「『やったあ』と 言って いるから」と 言えたら、それは 本当の 読みとりです。
この 「文しょうの どこから そう 考えたか」 という 見かたは、6年生まで、いや 中学・高校まで ずっと つづく 国語の 中心です。1年生から この 聞きかたに なれて おくと、あとが ぜんぜん ちがいます。
1年生の 国語で いちばん 大事な しゅくだいは、じつは 音読 です。地味ですが、こうかは 絶大です。
ポイントは、同じ 話を 何回も 読む ことです。1回目は つっかえながら。3回目には すらすら。5回目には 気もちを こめて。読む たびに 読みかたが 変わって いく ── それが 音読の おもしろさです。
音読を 聞く とき、まちがいを その場で 直すのは 少なめに します。とちゅうで 止められると、読む 意欲が 下がるからです。
おすすめは 読みおわった あとに 1つだけ ほめる こと。「『やったあ』の ところ、元気だったね」。内ように 反のうして もらえると、子どもは また 読みたく なります。
1年生の 教科書に のって いる 物語には、ある 共通点が あります。同じ ことが くりかえされる ことです。
「おおきな かぶ」では「うんとこしょ、どっこいしょ」が 何回も 出て きます。「くじらぐも」でも、同じ かけ声が くりかえされます。
これは ぐうぜんでは ありません。くりかえしには ちゃんと 役わりが あります。
とくに 3つめが 大事です。「おおきな かぶ」で くりかえされる 中、よばれる 人が どんどん ふえて いく。同じ 形の 中に 変化が ある から、話が 前に 進んで いる ことが 分かるのです。
子どもに「何回 同じ ことばが 出て きた?」「どこが すこし ちがった?」と 聞いて みて ください。くりかえしの 中の ちがいに 気づける ように なると、物語の 組み立てが 見えて きます。
「お・お・き・な・か・ぶ」と 1字ずつ 読んで いると、意味に なりません。ことばの かたまりで 読む 練習が 必要です。
教科書に えんぴつで 薄く 区切りの 線 を 入れて あげると 読みやすく なります。「おおきな/かぶが/ぬけました。」
「どう 思った?」は じつは とても むずかしい しつもんです。選たくしを 出す と 答えやすく なります。
「うれしかった? かなしかった? びっくりした?」── えらべたら、つぎに「どこで そう 思った?」と 聞きます。
物語の 話を 聞いて いるのに、「ぼくも 公園で…」と 自分の 話に なる。1年生には よく ある ことで、悪い ことでは ありません。
ただ、読みとりの 学習では 「お話の 中では どうだった?」 と、もどして あげます。自分の けいけんと つなげる のは、その あとで じゅうぶんです。
Q1 読んだ お話に 出て きた 人(動物)を ぜんぶ 言えますか。
A 名まえを ぜんぶ 挙げられたら 合かく。教科書を 見ながらでも かまいません。
Q2 おきた ことを 3つ、順ばんに 言って みましょう。
A 「はじめに〜、つぎに〜、さいごに〜」の 形で 言えたら すばらしいです。
Q3 いちばん 心に のこった ところは どこ? どうして?
A 「どうして」まで 言えたら 立派です。答えは 何でも かまいません。理由が 言える ことが 大事です。
音読の宿題は、親にとっては単調で、つい聞き流してしまいがちです。しかし1年生の国語で最も効果のある学習がこれです。
聞くときのコツは、正確さより内容に反応することです。「その次どうなるの?」「〇〇はどう思ったのかな」と一言添えるだけで、子どもは「聞いてもらえている」と感じ、読み方が変わります。
また、この時期の読みとりは「気持ちを想像する」ことより「書いてあることを正確に追う」ことが土台です。学年が上がるにつれ「本文のどこにそう書いてあるか」を求められるようになります。今のうちから「どこでそう思ったの?」と聞く習慣をつけておくと、後の読解で大きな差になります。