字が 書けるように なったら、つぎは 文です。ことばを ならべる ことと、文を 作る ことは ちがいます。
つぎの 3つを 見くらべて みましょう。
①と ②は ことば です。③だけが 文 です。
ちがいは 何でしょう。②は「しろい」が ついて くわしく なりましたが、それでも 文では ありません。「どうした」が ないから です。
文に なるには、「だれが(何が)」 と 「どうする(どんなだ)」 の 2つが 必要です。この 2つが そろって はじめて、聞いた 人に できごとが 伝わります。
| だれが・何が | どうする・どんなだ | 文 |
|---|---|---|
| いぬが | はしる | いぬが はしる。 |
| 花が | さく | 花が さく。 |
| そらが | あおい | そらが あおい。 |
| ぼくは | 1年生だ | ぼくは 1年生だ。 |
むずかしい ことばで 言うと、前が 主語、後ろが 述語 です。1年生では この ことばを おぼえる 必要は ありませんが、「だれが」「どうする」を さがす ことは しっかり やります。
後ろに 来る ことばは、じつは 3しゅるいに 分かれます。
この 3つは、2年生いこうの 学習で 大事に なります。1年生では「文の おわりに 来る ことば」として まとめて 意しきできれば じゅうぶんです。
ポイントは、どの タイプでも 文の いちばん 後ろに 来る ことです。日本語は「だれが」が 前、「どうする」が 後ろ。これは とても 分かりやすい きまりです。
ちなみに 英語では「I run(わたし 走る)」の ように、日本語と 同じ じゅんばんの ことも ありますが、「I eat an apple(わたし 食べる りんごを)」の ように、日本語と ちがう ことも あります。日本語は いちばん 大事な「どうする」が さいごに 来る 言語 なのです。だから 話は さいごまで 聞かないと 分かりません。
文を 書く とき、しるしの つかいかたも ならいます。
句点(くてん)と いいます。文が おわった ところに 必ず つけます。これが ないと、どこで 文が 切れるのか 分かりません。
書きわすれる 子は とても 多いです。「文を 書いたら、さいごに まるを うつ」 を くせに するまで、毎回 声を かけて あげます。
読点(とうてん)と いいます。文の とちゅうで 息を つぐ ところ に つけます。
てんは まるとちがって、「ここに 必ず つける」という 決まりが ありません。だから 子どもは まよいます。1年生では、つぎの 2つだけ 教えれば じゅうぶんです。
おもしろい れいが あります。
「ここで、はきものを ぬいでください」
「ここでは、きものを ぬいでください」
てんの 位置が 1字 ちがうだけで、まったく ちがう 意味に なります。子どもに 見せると 大よろこびします。てんは かざりでは なく、意味を 決める しるし だと 分かります。
「だれが どうする」が 書けるように なったら、つぎは くわしく する れんしゅうです。
もとの「いぬが はしる」は そのまま のこって います。そこに ことばを 足して いる だけです。
この れんしゅうを すると、作文が ぐっと 書けるように なります。「たのしかった」しか 書けない 子も、「いつ どこで だれと 何を して たのしかったのか」を 足して いくと、5行の 文しょうに なります。
合いことばは 「いつ・どこで・だれが・何を・どうした」。この 5つを 順に 足して いけば、だれでも くわしい 文が 作れます。
短い 文が 書けるように なったら、2つの 文を つなぐ れんしゅうも します。
つなぐ ことばには、いろいろな しゅるいが あります。1年生では つぎの 3つを 知って いれば じゅうぶんです。
とくに 「だから」と「でも」 が つかえるように なると、文しょうに 考えが 出て きます。「雨が ふった。だから 中で あそんだ。」「雨が ふった。でも 楽しかった。」── 同じ できごとでも、つなぎことばで 意味が かわります。
ただし、つなぎすぎには 注いです。「〜て、〜て、〜て」で ずっと つながる 文は 読みにくく なります。つなぐのは 2つまで、と 決めて おくと ちょうど よい 長さに なります。
いちばん 多い まちがい。書きおわった あとに 「まる、ついてる?」と 声を かける のを 毎回 やります。自分で 気づけるように なるまで、根気よく つづけます。
「きのう 公園。」の ように、動きの ことばが ない。「公園が どうしたの?」と 聞く と、子どもは「行った」と 答えます。それを そのまま 書き足させます。
「きょう 学校に 行って それから 給食を たべて それから 体いくを して たのしかったです」── まるが 1つも なく、ずっと つながって しまう。
これは 1年生に とても 多い 書きかたです。「1つの ことを 書いたら まるを うつ」 と 決めて、短く 切る れんしゅうを します。
短い 文を 3つ ならべる ほうが、長い 文 1つより ずっと 読みやすい ── これは 大人の 文章でも 同じです。
1年生の 作文を 赤ペンだらけに するのは 逆こうかです。直すのは 1回に 1つか 2つ まで。
「まるを つけようね」だけを 3日 つづける。できるように なったら つぎは「てん」。少しずつで じゅうぶんです。
Q1 つぎは 文ですか。「あかい ふうせん」
A 文では ありません。「どうする」が ないから。「あかい ふうせんが とぶ。」なら 文です。
Q2 「ねこが ねる。」の「だれが」と「どうする」は?
A だれが=ねこが、どうする=ねる。
Q3 「とりが とぶ。」を くわしく して みましょう。
A れい:「白い とりが 青い そらを たかく とぶ。」もとの 形は のこして、ことばを 足します。
Q4 まるを つけましょう。「きょうは あめでした かさを さして 学校へ 行きました」
A 「きょうは あめでした。 かさを さして 学校へ 行きました。」2つの 文に 分かれます。
この単元は、作文力の土台です。ここで「だれが・どうする」の骨組みが身につくかどうかで、3年生以降の作文の書きやすさが大きく変わります。
家庭でできる最も効果的な練習は、1日1文の日記です。長く書かせる必要はまったくありません。「きょう、こうえんで ブランコに のった。」──これで十分です。毎日1文なら子どもも負担になりません。
また、書いたものを「上手だね」ではなく「ブランコに乗ったんだね、楽しかった?」と内容に反応してあげてください。字や文法を直すのは、その後で1つだけ。書く意欲を守ることが、この時期は何より大事です。