字を おぼえるのは 半分。のこりの 半分は 「どんな とき つかうか」 です。ここを 知ると、カタカナが ぐっと おもしろく なります。
日本語には ひらがな・カタカナ・漢字の 3しゅるいの 字が あります。世界の 言語の 中でも めずらしい ことです。では、カタカナは いつ つかうのでしょう。だいたい つぎの 4つです。
| ばあい | せつめい | れい |
|---|---|---|
| ①外国から 来た ことば | ほかの 国の 言葉を 日本語に 取り入れた もの | パン、テレビ、ノート、ケーキ |
| ②外国の 国や 人の 名まえ | 地名・人名 | アメリカ、フランス、エジソン |
| ③音を あらわす ことば | ものの 音、どうぶつの 鳴き声 | ドンドン、ワンワン、ザーザー |
| ④とくべつに 目立たせたい とき | 強調、生きものの 名まえ など | ヒト、イヌ、キラキラ |
とくに ①が いちばん 多いです。カタカナで 書いて ある ことばを 見たら、「これは 外国から 来た のかな?」と 考える ── この しゅうかんが つくと、言葉への きょうみが 大きく ひろがります。
身の まわりを 見わたすと、カタカナの ことばだらけです。
おもしろいのは、来た 国が ばらばら だという ことです。パンは ポルトガル語、アルバイトは ドイツ語、ズボンは フランス語、テレビは 英語。日本は いろいろな 国から 言葉を 取り入れて きました。
1年生に この 全部を 教える ひつようは ありません。でも「パンって、じつは 外国の ことばなんだよ」と 一つ 教えるだけで、子どもは おどろき、ほかの ことばも 気に なりはじめます。そこから 自分で 見つけはじめる ── それが いちばんの 学びです。
日本語は、音を あらわす ことばが とても 多い 言語です。これも 世界の 中では めずらしい とくちょうです。
| しゅるい | れい |
|---|---|
| どうぶつの 鳴き声 | ワンワン、ニャーニャー、モーモー、コケコッコー |
| ものの 音 | ドンドン、カタカタ、ガチャン、ピンポーン |
| ようすを あらわす | キラキラ、フワフワ、ザラザラ、ツルツル |
この ような ことばを ぎおんご・ぎたいご と いいます。1年生では 名まえまで おぼえなくて よいですが、「音は カタカナで 書く」 と 知って おくと 作文で 使える ように なります。
じっさい、作文に「ドンドン」「キラキラ」が 入ると、文が 生き生きと します。「雨が ふった」より「雨が ザーザー ふった」の ほうが、ようすが よく 分かります。カタカナを おぼえる ことは、書ける ことを ふやす こと でも あるのです。
カタカナで いちばん ひらがなと ちがうのが、のばす 音の 書きかた です。
ひらがなでは「あ・い・う・え・お」を つかって のばしますが、カタカナでは すべて「ー」(ぼう)1本 です。これは とても 分かりやすい きまりです。
ただし、たてに 書く ときは 「ー」も たてに なります。ノートに たて書きする とき、よこの ぼうを 書いて しまう 子が いるので、そこは 見て あげて ください。
カタカナは、もともと 外国の ことばを 書きうつす ために よく つかわれました。外国の ことばには のばす 音が 多く、いちいち「アー」「イー」と 書くより、ぼう 1本の ほうが 早くて 読みやすい。それで「ー」が つかわれる ように なりました。
ひらがなと 同じく、カタカナにも にた 形が あります。しかも カタカナは 直線が 多いので、よけいに にて 見えます。
| にて いる 字 | ちがう ところ |
|---|---|
| シ ・ ツ | 点の むきと 3画めの はらう 方こう |
| ソ ・ ン | 点の むきと 2画めの 方こう |
| ク ・ ワ ・ フ | 線の 数と 形 |
| コ ・ ユ | たて線が どこに あるか |
| ア ・ マ | よこ線と はらいの いち |
| チ ・ テ | よこ線の 数 |
とくに 「シ」と「ツ」、「ソ」と「ン」 は 大人でも 見わけにくい ことが あります。
見わけの コツは 書く 方こう です。「シ」と「ン」は 下から 上へ はらいます。「ツ」と「ソ」は 上から 下へ はらいます。書いて みると、ちがいが 手で 分かります。
また、点の むきも ちがいます。「シ」「ン」の 点は よこに ならび、「ツ」「ソ」の 点は たてに ならびます。ならべて 書いて、見くらべる のが いちばんの れんしゅうです。
子どもから よく 出る しつもんです。答えは できかたが ちがう からです。
ひらがなは、漢字を くずして やわらかく した もの。「安」を くずして「あ」、「以」を くずして「い」に なりました。むかし、おもに 女の人が 手紙や 物語を 書く ときに つかいました。
カタカナは、漢字の 一部分だけ を 取った もの。「阿」の へんを 取って「ア」、「伊」の へんを 取って「イ」に なりました。おぼうさんが お経を 読む とき、はやく メモを 取る ために 作った と 言われて います。
つまり、ひらがなは「くずした 字」、カタカナは「切り取った 字」。だから カタカナは 直線が 多く、かくかく して いるのです。
この 話を 1年生に すると、たいてい とても おもしろがります。字にも れきしが ある ── そう 感じられる ことが、国語を すきに なる 第一歩に なります。
カタカナは ひらがなより 定ちゃくが おそい ことが 多いです。理由は かんたんで、目に する 回数が 少ない からです。1年生の 教科書は ほとんど ひらがなで 書かれて います。
たいさくは、カタカナの ある ものを 生活の 中で さがす こと。おかしの ふくろ、ジュースの かん、テレビの 字まく。読む きかいを ふやす ことが いちばんの 近道 です。
「ケーキ」を「ケエキ」、「ノート」を「ノオト」と 書いて しまう。ひらがなの きまりを そのまま つかって いる ためです。
「カタカナの のばす音は ぼう 1本」 と、はっきり 一言で 教えます。れいを 5つほど ならべて 見せると すぐ 分かります。
「いぬ」を「イヌ」と 書くべきか。じつは どちらも 正しい ことが あります。生きものの 名まえは、理科的に 言う ときは カタカナ(イヌ、ネコ)、ふつうの 文では ひらがなや 漢字(いぬ、犬)。
1年生では 「外国から 来た ことば」と「音の ことば」だけ おさえれば じゅうぶんです。それ以外は まよっても かまいません。
Q1 家の 中から カタカナで 書いて ある ものを 5つ さがしましょう。
A テレビ、コップ、テーブル、ノート、シャツ など。おかしの ふくろにも たくさん あります。
Q2 「シ」と「ツ」の ちがいは?
A 「シ」は 下から 上へ はらう、点は よこならび。「ツ」は 上から 下へ はらう、点は たてならび。
Q3 雨の 音を カタカナで 書いて みましょう。
A ザーザー、ポツポツ、シトシト など。どれも 正かい。ようすに よって 使い分けられたら すばらしいです。
カタカナはひらがなに比べて習得が遅れがちですが、これは触れる回数の差によるものです。学校の教科書ではカタカナの登場が限られるため、意識的に触れさせる機会が必要になります。
おすすめは、お菓子の袋やジュースのラベルを読ませることです。「これ何て書いてある?」と聞くだけで立派な練習になり、しかも子どもは楽しんでやります。
また、カタカナが書けるようになると作文の表現が広がります。「雨がザーザー降った」「星がキラキラ光った」──こうした表現を褒めてあげると、書くことが楽しくなります。