ひらがなを おぼえた あと、こんどは「木」「山」「火」のような かんじ が 出て きます。おぼえかたが ちがう ことを 知ると、ぐっと ラクに なります。
教科書の 学習計画では、1年生の かんじ学習を「かんじの はじめの一歩」と よぶ ことが あります。名前の とおり、はじめて かんじに ふれる、いちばん さいしょの だんかいです。
この だんかいで めざす ことは、たくさんの 字を おぼえる ことでは ありません。「かんじには 意味が ある」「同じ 字でも 読みかたが かわる」「書きかたに じゅんばんが ある」という、かんじの きほんの きまり に なれる ことです。ここで しっかり ふみだせると、2年生いこうの かんじ学習が ぐっと 楽に なります。
ひらがなは「あ」「い」「う」…と、音 を あらわす 字でした。46字を おぼえれば、どんな ことばでも 書けます。
ところが かんじは ちがいます。1つの 字が 意味 を もって います。「木」は 木の こと、「山」は 山の こと。字を 見ただけで、意味が わかる のです。
だから かんじは、音で おぼえるより、絵として おぼえる ほうが うまく いきます。1年生では まず この 考えかたに なれる ことが 大切です。
1年生で さいしょに ならう かんじの 多くは、じつは 物の 形を まねた 絵 から できて います。
| かんじ | もとの 絵 | おぼえかた |
|---|---|---|
| 山 | 3つの 山の みね | まん中が いちばん とんがって いる |
| 川 | 水の ながれ | 3本の 線が 水の すじ |
| 木 | 木の えだと 根っこ | まん中の たてぼうが みき |
| 火 | もえる ほのお | まん中から ほのおが 上がる 形 |
| 雨 | 雲から しずくが 落ちる | 四角の 下に 4つの 点 |
| 目 | 人の 目 | まぶたと ひとみを 四角で かこむ |
「これは 山の 絵なんだよ」「これは 火が もえて いる ところなんだよ」と いう ふうに 絵として 見せて あげる と、ただの 記号ではなく、意味の ある 形として 頭に のこりやすく なります。
かんじの もう ひとつの とくちょうは、1つの 字に 読みかたが いくつも ある ことです。
たとえば「木」という 字は、「き」とも「もく」とも 読みます。
「き」の ほうを 訓読み(もともとの 日本語の 読みかた)、「もく」の ほうを 音読み(むかし 中国から きた 読みかた)と いいます。1年生に この よびかたを おぼえさせる ひつようは ありませんが、「同じ 字でも 読みかたが かわる ことが ある」と 知って おくだけで、あとで こんらんしにくく なります。
かんじを 書く とき、大人は つい「形が 合っていれば いい」と 思って しまいます。でも 書き順には、ちゃんと りゆうが あります。
①上から 下へ(例:「三」は 上の 線から)
②左から 右へ(例:「川」は 左の 線から)
③横線が さきで、たて線が あと(例:「十」は 横 → たて)
この 3つを おぼえて おくだけで、はじめて 見る 字でも、だいたい 正しい じゅんばんが よそくできます。
かんじを 書いた とき、線の さいごの 形に 3しゅるいが あります。
| 名前 | どんな 形 | れい |
|---|---|---|
| トメ | 線の さいごを ピタッと 止める | 「木」の たてぼう |
| ハネ | 線の さいごを ピョンと 上に はねる | 「小」の まん中の たてぼう |
| ハライ | 線を すーっと ほそく しながら 引く | 「木」の ななめの線 |
1年生の うちは、この 3つを かんぺきに 書き分ける ひつようは ありません。ただ、テストの まる・ばつでは 気に される ことも あるので、「線の さいごに 3しゅるいの 形が ある」と いう ことだけ、頭の すみに 入れて おくと よいでしょう。
かんじの れんしゅうは、ドリルを ひたすら 書き取るだけだと、すぐに あきて しまいます。楽しく つづける コツを しょうかいします。
1年生で ならう かんじは 1年間で 80字ほど。1日に 何字も おぼえようと せず、1日 1〜2字 の ペースで じゅうぶんです。あせらず、くり返し 見る ことの ほうが、記おくに のこります。
「三」を 左右 反対に 書いたり、「木」の はらいの 向きが 逆に なったり する ことが あります。1年生では よく ある ことで、心配しすぎなくて 大丈夫です。
お手本を すぐ 横に おいて、見くらべながら 書く れんしゅうを くり返すと、少しずつ 直って いきます。
「木を みる」の「木」を「き」と 書いて しまう ことが あります。これは まだ「どの ことばを かんじで 書くか」の かんかくが できて いないだけです。
教科書に 出て きた かんじだけ、少しずつ かんじに かえて いく ことを、あせらず つづけます。
形さえ 合えば いいと 思って、書き順を むしして しまう 子が います。
短期間では 気づきにくいですが、字数が ふえると 書きにくさに つながります。ならった 直後に、いっしょに 空中で なぞって 正しい じゅんばんを かくにんすると 効果的です。
Q1 「山」「川」「木」は、もともと 何を まねて 作られた 字ですか。
A 物の 形(山の みね・水の ながれ・木の 形)を まねて 作られました。
Q2 書き順の きほん ルールを 1つ 言って みましょう。
A 「上から 下へ」「左から 右へ」「横線が さきで たて線が あと」の どれかが 正かいです。
Q3 「木」の 読みかたを 2つ 言って みましょう。
A 「き」(訓読み)と「もく」(音読み)です。
Q3が 言えたら、かんじには 読みかたが いくつも ある ことに、もう 気づけて います。
1年生のかんじ学習は、ひらがなと違い「意味を持つ記号」を初めて扱う経験です。音だけで覚えようとすると混乱しやすいため、絵から生まれた成り立ちを一緒に眺めるだけでも理解の助けになります。
書き順やトメ・ハネ・ハライは、テストで細かく見られることもありますが、1年生のうちから完璧を求めすぎると、書くこと自体を嫌いになってしまう子もいます。まずは「かんじって面白い」と感じてもらうことを優先し、細部の精度は繰り返しの中で少しずつ整えていくつもりで見守ってあげてください。
教科書に出てきた漢字を生活の中で見つける「かんじさがし」は、遊びながら自然に定着させる効果的な方法です。看板や絵本の中で見つけた漢字を一緒に喜ぶことが、何よりの励みになります。